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DXとは「市場の激しい変化に対応するため、企業がデータやIoTなどのデジタル技術を活用して、ビジネスモデルや企業風土を変革し、自社の競争力を向上させること」を指す言葉です。
これからの市場で企業が競争力を確保するためには、DXが欠かせません。そして、このDXの実現に必要なのが、DXソリューションです。
今回はこのDXソリューションとは何なのか、そしてその実施により企業はどのようなメリットを得られるのかを、わかりやすく解説します。
DXソリューションとは
ソリューション(solution)とは、もともと「解決」「解答」という意味を持つ英単語です。これをもとに、日本語では、ソリューションを「解決方法」という意味で使用しています。
このことを前提に考えてもわかるように、DXソリューション(事業)とは、企業におけるDXを実現させるための取り組み(解決方法)を指す言葉です。また、そのために使用するツールやシステムのことをDXソリューションと呼ぶこともあります。
先述のとおり、DXとは「企業がIT・デジタル技術を活用してビジネスモデル等を変革し、競争力を向上させること」を指す言葉です。一方のDXソリューションは、DX実現のための取り組みやツールのこと。DXにはDXソリューションが欠かせません。
これらの言葉の意味を混同しないよう気をつけましょう。
DXソリューションの導入で実現できること
DXソリューションの導入により、企業はさまざまなことを実現できます。ここでは、それを「社内業務の効率化」「社内業務のオンライン化」「顧客接点の強化」の3つの観点からご説明します。
社内業務の効率化
DXソリューションの導入により、社内業務は効率化させることが可能です。
例えば、定型事務業務の自動化や営業情報の一元管理、AIのデータ解析による人事業務のサポートなど。これらのソリューション利用により、各業務は効率化され、営業確度も上がるでしょう。
社内業務が効率化されれば、業務時間や人件費が削減され、企業はリソースをより有意義に使うことができるようになります。
社内業務のオンライン化
社内業務のオンライン化にも、DXソリューションは役立ちます。
例えば、社内外のコミュニケーションはWeb会議ツールやビジネスチャットツールでオンライン化することができます。また、販売活動は顧客管理システムや在庫管理システムで、人事活動は人事管理システムやeラーニングで、広告活動はSNSでのオンライン化が可能です。
社内業務をオンライン化できれば、業務推進の柔軟性は高まり、ビジネスの可能性も広がっていくでしょう。
顧客接点の強化
DXソリューションの導入により、企業は顧客接点を強化することも可能です。
例えば、顧客管理システムを導入して顧客データを一元的に管理し、分析によりあらゆるデータを抽出できるようにすることで、企業は各顧客に最適なアプローチやサービスを行えるようになります。そうすれば、既存顧客との良好な関係維持やより多くの新規顧客獲得が実現でき、これは安定的な売上確保や売上拡大に繋がるでしょう。
【業務別】DXソリューションの例
ここからは、DXソリューションの例を業務別にみていきましょう。
社内業務
社内業務に役立つDXソリューションには、次のようなものがあります。
- Web会議ツール
- ビジネスチャットツール
- オンラインストレージ
- ワークフローシステム など
これらのソリューション導入は、社内でのテレワークの普及にも効果的です。また、クラウドサービスなどによるインターネットを介した業務体制の構築は、BCP対策にもなるでしょう。
事務作業
定型業務が多い事務作業にも、DXソリューションは活用できます。
特に汎用性が高いのは、RPA(Robotic Process Automation)ツールでしょう。RPAツールを利用すれば、それまで手作業で行っていた定型事務業務を自動化し、従業員の負担やコストを削減することが可能です。
これは、ヒューマンエラーの削減にも有効です。
営業活動
顧客ニーズの変化が速く、多様化している現代においては、営業活動もデータをもとに進める必要があります。
そこで役立つのが営業支援システム(SFA)。SFAを利用すれば、営業情報を一元管理し、顧客ごとに最適な対応を取ることができます。
また、名刺管理ツールや見込み客リスト作成ツールなども、営業活動には役立つでしょう。
物流業務
荷物の宅配個数が増加傾向にある現代社会では、物流業務もDXソリューションにより効率化する必要があります。例をみてみましょう。
- 物流管理システム
- 倉庫管理システム
- 運送管理システム など
人手不足が深刻な物流分野において、これらのシステム活用はその課題解決に効果的です。物流には複数のプロセスがありますが、そのシームレスな連携にも、ITシステムは欠かせません。
受発注業務
顧客からの注文を管理する受発注業務には、受発注管理システムが有用です。
受発注におけるミスは大きなトラブルに繋がる可能性がありますが、このシステムを使えば、ヒューマンエラーのリスクは低減され、業務も効率化されます。
人事活動
人事活動では、膨大なデータの中から求める人材を見つけ出すことや、最適な人材配置を行うことが重要になります。
AI搭載の人事システムを使えば、エントリーシートなどの情報から自社に対するマッチ度を測ったり、客観的に性格を見極めたりすることが可能になり、効率的かつ的確な人事を実現できます。
また人材育成においては、eラーニングも役に立つでしょう。
安全配慮義務対応
企業には、従業員に対する安全配慮義務があります。そして、この義務を遵守するために役立つソリューションも多数存在します。
例をみてみましょう。
- 勤怠管理システム
- センサー付きウェアラブルデバイス
- パルスサーベイツール など
これらのソリューション導入は、従業員にとってもメリットとなるでしょう。
経理財務業務
計算作業が多い経理業務や財務業務では、正確さが重要視されます。経理ソフトや財務ソフトなどのソリューションを導入すれば、各作業の正確性は増し、作業時間も短縮することができるでしょう。
またこれらのソフトは、会計ソフトや銀行口座などあらゆる他システムと連携させることで、より効率的に管理・運用することができます。
適切なDXソリューションを選定するためのポイント
DXソリューションにはさまざまな種類があります。企業がDXを成功させるためには、その中から適切なソリューションを選定しなければなりません。
ここでは、そのために重要な2つのポイントをご紹介します。
ビジョンや戦略を明確にする
DXソリューション導入時には、前提として、自社のビジョンや戦略を明確にしておかなければなりません。そのビジョンや戦略を実現する手段が、DXソリューションだからです。ビジョンや戦略が明確でなければ、その実現に最適なソリューションを導入することは不可能でしょう。
くれぐれも、DXソリューションの導入自体が目的にならないよう、注意しましょう。
システムグランドデザインを作成する
システムグランドデザインとは、システム導入の基礎となる全体デザインのこと。企業としてのビジョンや戦略を踏まえ、俯瞰的な視点からシステム導入の計画を策定します。
DXは、ビジネスモデルに留まらず、企業文化や風土までをも変革するものです。よって、そのためのソリューション選定を各部門だけの視点で進めることは、好ましくありません。各部門で導入したシステム同士を連携できなかったり、一部がブラックボックス化したりする恐れがあるためです。
これを避け、DXを成功させるためには、まずシステムグランドデザインを作成し、それに沿ったソリューション導入を行う必要があります。
DXソリューションの取り組み事例
最後に、DXソリューションに取り組んでいる企業の事例を3つご紹介します。
トラスコ中山株式会社|サプライチェーン全体の業務改善
トラスコ中山株式会社は、工場用副資材の卸業者です。
同社は、サプライチェーンの生産性向上のためDXソリューションの導入を実施してきました。
例えば、対メーカーの商品情報管理システムや業務連携ポータル、対販売店のAI見積もり、対ユーザーの購買支援システムなど。あらゆる視点からソリューションを導入し、サービスを提供することで、サプライチェーン全体の効率化に成功しています。
スターバックス|データ収集によるマーケティング
大手コーヒーチェーンスターバックスのDXソリューションといえば、モバイルアプリでしょう。
このモバイルアプリには、商品の紹介だけでなく、リコメンド機能やモバイルオーダー機能、支払い機能などが搭載され、多くのユーザーに活用されています。
同社は、このアプリを通して得たデータを収集・分析し、その結果をサービス提供に反映することで、顧客エンゲージメント向上に成功しています。
中外製薬株式会社|AI活用でコスト削減・成功率上昇
大手製薬会社である中外製薬株式会社では、デジタル基盤を強化するとともに、デジタル技術を活用した革命的な新薬の創出を目指しています。
この実現のために導入されているDXソリューションが、機械学習およびディープラーニングによりあらゆる判断を可能にするAIシステム。医薬品候補分子探索や薬物動態予測、病理画像解析、薬効・安全性の評価においてこのシステムを活用することで、効率的で確実な新薬開発を実現させています。
まとめ
DXソリューションは、DXを実現させるための手段です。適切なソリューション導入ができれば、DXが成功する可能性は高くなります。
そのためには、ビジョンや戦略を明確化させること、そしてシステムグランドデザインを重視することが大切です。長期的かつ全体的な視点からソリューション選定・導入を行えば、企業活動全体を変革するDXは大きく前に進むでしょう。