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ECサイトの運用は、インターネットを使う層へのアプローチとしてはもちろん、データドリブンな経営戦略の策定にも役立ちます。
現代では多くの企業がECサイトを運用していますが、その構築方法にはいくつかの種類があります。そのひとつが、フルスクラッチです。

この方法でのサイト構築は、自由度の高さが魅力。では、この構築方法はどんな企業に向いているのでしょうか。

今回はフルスクラッチによるEC構築について詳しく解説します。

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フルスクラッチとは

ゼロから自社で開発を行い、オリジナルのECシステムを構築していく方法を「フルスクラッチ」と呼びます。この方法では、既存のフレームワークやコードを利用せず、全くの新規からシステム開発を行います。

そのため、フルスクラッチでECサイトを構築するためには、高い技術が必要です。既存の土台を使う場合に比べて、時間もかかります。
またコストは、初期費用に数千万円、月の運用費に数十万円以上はかかると見ておくべきでしょう。

ただし、その分カスタマイズ性は高く、自社のニーズに沿った自由なシステム開発が可能です。そのため、この方法は独自のシステムを構築したい大手企業に選ばれる傾向があります。

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他のECサイト構築方法との比較

ECサイトの構築方法には、フルスクラッチ以外にも次の4つの種類があります。

・ASP
・ECパッケージ
・クラウドEC
・オープンソース

各方法について、その特徴を詳しくご紹介します。

ASP

ASP(Application Service Provider)は、インターネット上で提供されるECサイト構築のためのアプリケーションのこと。「BASE」や「STORES」などが代表的です。

ASPを利用した場合、必要な機能はアプリケーション上に既に用意されているため、ECサイトの構築に手間はかかりません。専門知識も不要です。
無料で利用できるものも多く、コストをかけずにECの構築・運用が可能で、システムは自動で最新にアップデートされていきます。

ただし、カスタマイズ性は低いため、独自性を重視するEC構築には向きません。

ECパッケージ

ECサイトは、必要な機能が入っているパッケージソフト、つまりECパッケージをインストールし、これを使って構築することもできます。
この場合、用意されている主要な機能に追加機能をプラスして、ニーズ通りにカスタマイズすることが可能。フルスクラッチには劣るものの、比較的カスタマイズ性は高いです。
ゼロからシステムを構築するわけではないため、手間も削減できます。

ただし、この方法では初期費用に数百万円、月の運用費に数十万円程度の費用がかかります。
また、時間が経つとシステムが陳腐化するため、定期的な改修が必要です。

クラウドEC

クラウド上に設置されたプラットフォームを利用してECサイトの構築を行う方法を、クラウドECと呼びます。
クラウドECでは、ソフトウェアをインストールしたり自社インフラを用意したりする必要はなく、クラウド上でECの構築・運用を行うことができます。ゼロから構築する必要はなく、拡張性にも優れ、自動でシステムを最新に保つことができます。

ただし、初期費用は数百万円、月の運用費は数十万円程度と、一定のコストはかかります。
また、ソースコードが開示されていないため、自社での保守運用は基本的にできません。

オープンソース

無償で一般開示されているソースコード(プログラム)を用いて、ECサイトを構築する方法もあります。
この場合、ソースコードをもとにカスタマイズを行い、自社の求めるECを作成していきます。

自由なカスタマイズが可能で、費用もかからないものの、ニーズに沿ってカスタマイズを行い、それを運用していくには高い技術が必要です。またこの手法では、サーバを自社で用意する必要があり、これにはコストがかかります。

フルスクラッチのメリット

フルスクラッチの主なメリットとしては、次の2点が挙げられます。

・設計の自由度が高い
・運用開始後も柔軟な対応が可能

詳しく見ていきましょう。

設計の自由度・拡張性が高い

フルスクラッチのもっとも大きなメリットは、システム設計の自由度および拡張性が高いことです。ゼロから自社で構築を行うため、自社のニーズに完璧に沿ったECサイトを作成できます。
ASPやパッケージでは対応できないシステムも、この手法なら実現可能。もちろんデザインも自由で、希望のツールとも柔軟に連携させることができます。

フルスクラッチの自由度の高さは、オリジナリティのあるEC構築を可能にし、他者ECとの差別化にも役立ちます。

運用開始後も柔軟な対応が可能

フルスクラッチでは、サイト運用を開始した後にも、柔軟な対応が可能です。
例えば、機能の追加やデザインの変更、トラブルへの対応など。急な要望や問題にも、スピーディーに対応することができます。

この特徴により、マーケティング施策の迅速な適用も可能。
顧客のニーズも反映させやすく、随時改善を重ねながら、速やかにPDCAを回していくことができます。

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フルスクラッチのデメリット

フルスクラッチの特徴には、デメリットになり得る点もあります。それが、次の4点です。

・構築・運用にコストと時間を要する
・専門知識を持つ人材が必要
・システムが陳腐化する
・外部委託では柔軟な対応が困難

各点について詳しくご説明します。

構築・運用にコストと時間を要する

フルスクラッチによるECサイトの構築には、コストと時間がかかります。ASPのように即座の導入は難しく、完成までに1年程度は必要でしょう。

また、構築後の運用にも、コストと手間は随時かかります。
時間とコストに常に余裕がなければ、適切な構築・運用は困難であるため、この手法の選定は慎重に行うべきでしょう。

専門知識を持つ人材が必要

ゼロからシステムを構築していくフルスクラッチには、かなり専門的な知識とスキルが必要です。これらを持つ人材が十分にいなければ、構築はもちろん運用もスムーズに行えません。
既存システムが整備され、保守運用もベンダー側で行うASPやクラウドECに比べると、自社で全てを担うフルスクラッチでは高いレベルの人材が必要になるのです。

また、この手法では運用が属人化しやすく、システムがブラックボックス化してしまう可能性も。これを防ぐため、システムやその運用については、社内で共有する仕組みを作っておく必要があります。

システムが陳腐化する

フルスクラッチでは、ASPやクラウドECのように、システムが自動でアップデートされません。時間が経つにつれシステムは陳腐化していくため、必要に応じた改修を数年ごとに行う必要があります。
もちろん、この作業にも手間とコストがかかります。

外部委託では柔軟な対応が困難

フルスクラッチによる構築・運用を、外部に委託するケースもあるでしょう。この場合、自社での構築・運用の手間を省くことができます。

ただし、外部委託では、この手法のメリットでもある柔軟で迅速な対応が行えません。機能の追加やデザインの変更にあたっても、担当者に連絡して要件を確認したり見積もりを取ったりと、自社運用にはかからない手間が発生します。

委託先に不満がある場合にも、すぐに委託先を変更するというのは難しいでしょう。

フルスクラッチ開発をおすすめしたい企業

ここまでの内容を踏まえ、フルスクラッチでのECサイト構築に向いているのは、次のような企業です。

・リソースに余裕がある企業
・独自性の高いシステム構築が必要な企業
・マーケティング効果の最大化を重視する企業

この手法でのEC構築には、膨大な時間とコストがかかります。専門知識を持った人材やチームの整備も必要でしょう。
そのため、時間・コスト・人材というリソースに余裕のある企業でなければ、フルスクラッチでのEC構築はできません。

また、この手法の最大のメリットは自由度が高いこと。他の手法では対応できないような独自性の高いシステムも、フルスクラッチなら実現できます。
商品やサービスの特性上、独自性の高いシステムを構築しなければならない企業にも、この手法は向いています。

さらに、マーケティング施策の効果を最大限に活かしたいという企業にもフルスクラッチがおすすめ。状況に応じた柔軟な対応が行えるため、多様なマーケティング施策を迅速にECへ適用させることが可能です。

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まとめ

フルスクラッチは、設計の自由度を重視する企業のECサイトにおすすめの構築方法です。この方法を用いれば、自社ニーズに合った理想のサイト構築が実現するでしょう。

ただし、その構築・運用にはかなりのリソースが必要です。これを計画的に見積もっておかなければ、せっかくシステムを構築しても効果的に運用し続けられない可能性もあります。

他の構築方法でもある程度のカスタマイズは可能なので、実現できることとコスト、工数などの面で各方法を比較し、自社にもっとも合った方法を選ぶようにしましょう。


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