こんにちは。新規事業の開発や既存業務の効率化などに使える補助金・助成金の無料診断 / 申請支援を行う『補助金サポート』を提供しているクラウド軍師運営チームです。
企業が安定的な売上を確保しながら、効率的に顧客を増やしていくためには、ロイヤルカスタマーを育成することが大切です。
ロイヤルカスタマーは、いわば企業の味方。場合によっては広告塔のような役割も果たします。
では、このロイヤルカスタマーはどのように育成すれば良いのでしょうか。
今回は、ロイヤルカスタマーの定義やメリット、その育成方法について詳しく解説します。
ロイヤルカスタマーとは?
顧客の持つ、企業やその企業が扱う商品への信頼・愛着のことを、「顧客ロイヤルティ」と呼びます。そして、この顧客ロイヤルティを持つ顧客が、ロイヤルカスタマーです。
ロイヤルカスタマーは、企業やその企業が扱う商品、サービスに対して信頼と愛着を持っているため、その商品やサービスを継続的および頻繁に購入・利用します。もし競合他社が同じような商品やサービスをより安い価格で扱ったとしても、簡単には離反しません。
一般的に、ロイヤルカスタマーは次のような要件を備えていると考えられています。
・簡単に競合他社に流れることはない
・商品やサービスをリピートしてくれる
・他者へ商品を広めてくれる
つまり、ロイヤルカスタマーは企業にとって、その企業を強く支持してくれる心強い味方のような存在なのです。そのため、ロイヤルカスタマーの育成、囲い込みは、企業が力を入れるべき課題のひとつとなっています。
ロイヤルカスタマーと優良顧客の違い
ロイヤルカスタマーと混同されやすいものに、「優良顧客」というものがあります。
優良顧客とは、頻繁に商品を購入したりサービスをリピート利用したり、また一回に使う金額が高額であったりする顧客のこと。
この優良顧客とロイヤルカスタマーの違いは、「顧客ロイヤルティの有無」つまり「企業や商品への愛着・信頼の有無」にあります。
頻繁に商品・サービスを購入するが、顧客ロイヤルティ(信頼や愛着)はない
【ロイヤルカスタマー】
頻繁に商品・サービスを購入しており、顧客ロイヤルティ(信頼や愛着)を持つ
優良顧客は、顧客ロイヤルティがあってその商品やサービスを購入している人ばかりではありません。中には、「たまたま安くなってたから」「なんとなく店に入ったから」などの理由で、商品を大量に購入したりサービスをリピート利用したりしている人もいるでしょう。
このような顧客は、同業他社がより利便性の高い場所に店舗をオープンさせたり、より安い値段で同じサービスを始めたりすることによって、離反してしまう可能性があります。
しかし、ロイヤルカスタマーの場合、企業やその企業の扱う商品・サービスを意識的に支持しているため、簡単に離反することはありません。
ロイヤルカスタマーを育成する理由
企業がロイヤルカスタマーの育成に力を入れるべき理由としては、次の3つが挙げられます。
・良質なフィードバックを与えてくれる
各理由について詳しく見ていきましょう。
LTVが高く、売り上げが安定する
LTV(Life Time Value)とは、顧客生涯価値、つまり「1人の顧客がある企業に対し、生涯にもたらす総利益」を指す言葉です。
ロイヤルカスタマーは、顧客ロイヤルティを持つ企業の商品やサービスを、継続的で頻繁に利用します。離反する可能性も少ないためLTVは高く、これにより企業は安定的な売り上げを確保することができます。
ロイヤルカスタマーが増えれば増えるほど、企業はより大きな売り上げを安定的に取ることができるようになるでしょう。
LTVについては、「マーケティングに重要な指標「LTV」とは? 」でも詳しく解説しています。
口コミの拡散など、新しいお客様を連れてきてくれる
ロイヤルカスタマーは、自身が信頼する企業や商品・サービスを、高く評価して口コミで発信したり、知り合いに情報を広めたりと、自ら他者へ勧めてくれます。実際に商品やサービスを利用しているカスタマーによる情報発信には説得力があり、これは新規顧客の獲得に繋がります。
通常、新規顧客の獲得にはさまざまな広告宣伝を打つためのコストがかかりますが、ロイヤルカスタマーによる情報発信を集客手段とした場合、コストはかかりません。
良質なフィードバックを与えてくれる
企業やその商品を信頼しているロイヤルカスタマーは、「企業・商品をよりよくしたい」「貢献したい」という思いから、的確なフィードバックを与えてくれることがあります。
顧客ロイヤルティを持つ顧客ならではのフィードバックは、商品やサービスの質向上に役立ちます。商品やサービスの質が上がれば、ロイヤルカスタマーもさらに増えるかもしれません。
このように、フィードバックによる良い循環を生む点も、企業がロイヤルカスタマーを育成すべき理由のひとつです。
顧客をロイヤルカスタマーに育てる方法
顧客が企業から離反する理由を調べたある調査では、「自分が企業に相手にされていない・大切にされていないと感じるから」という理由が第1位となりました。
この結果からは、顧客の離反を防ぎロイヤルカスタマーへと育成するためには、「企業が顧客を大切にすること」「企業が顧客とより多くの接点を持つこと」が重要だということがわかります。
そのために有効な手段としては、次の3つが考えられます。
・顧客との接触頻度を増やす
・顧客体験(CX)を見直す
各手段について詳しくご紹介しましょう。
対象となる顧客を定める
ロイヤルカスタマー育成にあたっては、まずその対象を定める必要があります。購入頻度や購入額、継続年数などの項目をもとに、対象とする顧客の明確な基準を設定すると良いでしょう。
ただしこの基準については、企業や扱う商品、サービスによって適切な項目や数字が異なります。自社に合った基準については、「どのような顧客を大切にしたいか」を踏まえ、決定するようにしましょう。
また、対象の選定にあたっては、顧客ロイヤルティを示す指標であるNPS(顧客推奨度調査)を活用するのもおすすめです。この指標をもとにすれば、自社顧客のロイヤルティの状況を把握し、その課題やロイヤルカスタマーになり得る顧客を見つけ出すことができます。
顧客との接触頻度を増やす
顧客との接触頻度を増やすことは、顧客の「自分が企業に相手にされていない」という思いを払拭します。前述のNPSが低い場合、接触頻度が足りていないのかもしれません。
インターネットが普及した現代において顧客との接点を増やすには、電話やチャット、メールを用いたカスタマーサポートやメルマガ配信、アプリのプッシュ通知などにより、定期的な情報提供を行うことが重要です。このようなアプローチがない場合、顧客が離反する可能性は高くなってしまうでしょう。
定期的な情報提供によって顧客との接触頻度を増やすことは、顧客から企業に対する信頼・愛着向上に繋がります。
顧客体験(CX)を見直す
顧客体験(Customer Experience)は、顧客にロイヤルティを持ってもらうために非常に重要です。商品・サービスの購入プロセスにおいて顧客がした体験は、その商品やサービス、そして企業に対する信頼に繋がります。
良い顧客体験をすればその顧客のロイヤルティは上がり、逆に悪い体験をすればロイヤルティは下がるでしょう。
ロイヤルカスタマーを育成するには、自社の提供する顧客体験を見直し課題を改善することも有効です。これによりより質の高い顧客体験を提供できるようになれば、顧客満足度は向上し、満足度の高い顧客がロイヤルカスタマーに成長する可能性があります。
ロイヤルカスタマー育成に役立つツール
ロイヤルカスタマー育成には、次のようなツールを活用できます。
・SFA
・MA
このようなITツールは、より効率的で的確な施策の実施に役立ちます。
CRM
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客関係管理と呼ばれる、顧客と継続的に良好な関係を築くためのツールです。
このツールでは、顧客情報を一元管理し、そのデータを分析します。これにより、メルマガを配信したりキャンペーンに招待したりと、それぞれの顧客に対する最適なアプローチを行うことができます。
CRMは、顧客との接触頻度の増加だけでなく、ロイヤルカスタマー育成の対象選定にも役立つでしょう。
CRMについては、以下でもご紹介しています。
「おすすめのCRMツールを徹底比較:選定ポイントやSFAとの違いも解説 」
SFA
SFA(Sales Force Automation)とは、営業支援システムと呼ばれるITツール。顧客情報と営業データを一元管理し、効率的な営業活動をサポートします。
SFAは、顧客との接触を記録し、成約に向けた進捗を可視化します。これにより、担当者はロイヤルカスタマー育成に向けた顧客の現状や進捗を明確に把握することができます。
もちろん、収集したデータの分析により、顧客ごとのより効果的な営業方法やタイミングを導き出すことも可能です。
このツールによって効率的な営業活動ができるようになれば、それはCXの向上、ひいてはロイヤルカスタマーの育成に繋がるでしょう。
代表的なSFAをリリースしているセールスフォースについても是非ご一読ください。
「セールスフォース(Salesforce)とは何がすごい?機能やメリット等を解説」
MA
MA(Marketing Automation)とは、マーケティング活動をサポートするITツール。特にリード(見込み顧客)の育成に役立ちます。
このツールでは、顧客データ管理やメルマガ配信などを通じてリードを創出し、アプローチを続けて、リードを顧客へと育成することができます。
つまり、最終的にロイヤルカスタマーになり得る顧客を囲い込むことができるのです。
MAについては、以下でも詳しくご紹介しています。
「【比較】MAツールで何ができる?貴社に最適なツールを選ぶポイントとは?」
CRMとSFA、MAはそれぞれのツールを連携させることでより効果的な運用が可能です。流れとしては、MAでリードを創出・育成し、SFAで成約を目指し、成約後の顧客とCRMで関係を繋いでいく、という形になるでしょう。
このように、顧客と長期的に関係を築けるようになれば、顧客がロイヤルカスタマーになる可能性は高くなります。
まとめ
ロイヤルカスタマーを多数持つことは、企業の強みになります。これにより利益の基盤ができれば、企業はそれをもとにした新たな事業にも挑戦しやすくなるでしょう。
ただしそのためには、顧客と接点を持つための企業の努力も必要です。
顧客を大切にすることを意識し、ITツールを活用しながら、積極的なロイヤルカスタマー育成を目指しましょう。