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近年、あらゆる業界がDXの推進に力を入れています。
それは介護業界も例外ではありません。介護施設の運営にデジタル技術を活用する例は増え、それは業界の課題解決に一役買っています。

では、介護業界では実際にどのようなDXが推進されているのでしょうか。また、それによりどのようなメリットを受けているのでしょうか。

今回は、介護業界におけるDXの具体例をご紹介します。

介護業界におけるDXの成功事例

まずは、介護業界で推進され成功を収めているDXの具体事例・方法を8つご紹介しましょう。

①書類のペーパーレス化

介護記録や予定表など、介護現場では多くの書類が作成されます。従来、この作成・共有は紙の書類で行われてきました。
しかし、紙の書類は作成に時間がかかります。共有の効率も低く、保管にはコストもかかるでしょう。

そこで近年では、専用のシステムを導入し、書類のペーパーレス化を実現する現場が増えています。システム上で書類の作成・共有・保管ができるようになれば、業務は効率化され、関連コストも削減することが可能です。

②電子端末によるリアルタイムの情報共有

介護業界では、迅速で正確な情報共有も非常に重要です。情報共有の不備は、思わぬ事故につながる恐れもあるためです。

そこで、近年の現場では、職員全員がスマホやタブレットなどの端末を携帯し、それらをシステムと連携させることで、誰もがリアルタイムで情報を確認・共有できる体制を作る例が増えてきました。
これにより、職員はわざわざ事務所のパソコンを確認しなくても情報を得られるようになり、情報共有の効率やサービスの正確性は向上しています。

③グループウェアの導入

グループウェアは、職員間のコミュニケーションを円滑化するためのシステムです。これにはスケジュール管理やファイル共有、掲示板、チャットなどの機能が搭載されており、活用することでコミュニケーションや情報共有を円滑にすることができます。

介護業界でも、グループウェアを導入する現場は増えています。個々での仕事が多く、シフトが複雑な現場でも、グループウェアを用いれば、職員間のコミュニケーションは取りやすく、また必要な情報の共有漏れも防げます。

④勤怠管理システムの導入

勤怠管理システムとは、職員の勤怠情報を一元管理できるシステムのこと。
これを利用すれば、各職員の出退勤はシステムを通して管理され、労働時間などの計算は正確で効率的になります。また、シフト作成も、データを活用して簡単に行うことが可能です。

シフト制で残業も多い傾向にある介護業界では、手作業による勤怠管理やシフト作成が担当者の負担になっていました。
しかし、勤怠管理システムを使えばこの負担は軽減され、業務効率化が図れます。

⑤介護ソフトの一元管理

介護ソフトとは、介護施設の情報を一元管理できるシステムのこと。個々の利用者の情報(介護記録、介護計画など)から職員に関する情報、経営に関する情報まで、あらゆる情報を扱うことができます。
介護ソフトを導入すれば、情報の種類ごとに異なるシステムを導入・運用する必要はなくなり、効率的な情報管理が叶います。

複数システムの利用は「jugaa」で効率化を

介護業界では、一元化せずに複数のシステムを使い分けているという現場も多いでしょう。このような場合、システムごとのログインの手間や複数のID・パスワード管理が、職員の大きな負担になります。
この負担削減に効果的なのが、パスワード管理ツール「jugaaです。

「jugaa」は、ID・パスワード管理を一元化するサービス。
ID・パスワードの新規作成・変更・削除の手間を軽減させるだけでなく、各システムを連携させて一度の認証でログインを可能にするSSO(シングルサインオン)も提供します。

「jugaa」を活用すれば、複数システムの併用はよりシームレスに。職員や管理担当者の負担も減り、より効率的なシステム利用が実現します。

⑥ベッドセンサーカメラの導入

ベッドセンサーカメラとは、ベッドの周辺または利用者自身に付ける機器のこと。センサーが利用者の状態をリアルタイムで感知し、必要な場合にはアラームで職員に通知します。

介護施設では利用者の状態把握が重要ですが、多くの業務を抱えながら少ない人手で常に見回りを行うのは困難であり、これは職員の大きな負担になっていました。

しかし、センサーカメラを導入すれば、見回りの回数を削減しながら、職員は常に利用者の状態を把握し、急変時には迅速に駆けつけることができます。
これは業務を効率化させるだけでなく、職員の精神的な負担軽減にも有効でしょう。

⑦インカムによる情報共有

インカムとは、耳に装着するICT機器のこと。
この機器を利用すれば、職員同士は離れた場所にいても会話することができます。フリーハンドでの会話が可能であるため、介護業務中でも職員間でスムーズに情報共有ができることから、インカムを取り入れている施設は少なくありません。

インカムは、効率的に適切なケアを実施するために有効なデジタル技術だと言えるでしょう。

⑧動画配信による教育システムの導入

介護の現場では、職員教育の負担も大きくなっています。利用者の安全を預かる職業である以上教育は重要ですが、そのために避けるリソースは決して十分ではありません。

この課題を解決するために活用されているのが、動画を用いた教育システムです。このシステムを使えば、動画を見てもらうだけで教育を進めることができます。
これにより、つきっきりで指導する必要がなくなれば、教育担当者の負担は軽減されるでしょう。また、動画を用いて視覚的に学ぶことは、教育を受ける職員にとっても、より良い理解に繋がります。

介護業界をDX推進する理由

介護業界でDX推進が急がれる理由としてまず考えられるのは、人手不足でしょう。
日本では急速な高齢化と慢性的な人手不足が続いていますが、介護業界では特にその影響が顕著です。少ないリソースで多くの利用者に対応していくためには、業務効率を向上させていかなければなりません。

そのために必要なのが、DXです。デジタル技術を活用すれば、一部業務を自動化したりデータ利用により作業時間を短縮したりすることができます。
これにより業務効率が上がれば、職員の業務負担は軽減されます。また、人力でしかできない業務に職員を集中させることも可能になるでしょう。

介護業界をDX推進するメリット

介護業界でDXを推進することには、次のメリットが期待できます。

  • 業務効率化による人手不足解消
  • サービスの質向上
  • 感染リスクの低下

前述のとおり、介護業界では人手不足が深刻です。その分負担が大きくなり、過労により体調を崩す職員や離職する職員も少なくはありません。

しかし、DXを推進すれば、今まで人の手で行っていた業務をシステムが代替し、より効率的な業務体制を実現させることが可能です。これにより職員の負担は軽減され、人手不足も緩和されるでしょう。

また、DXにより業務が効率化され、職員に余裕がでれば、サービスの質は向上します。

さらに、デジタル技術を用いた介護では、人と人との接触を減らすことが可能です。これは、感染リスクの低下に繋がるでしょう。

介護業界でDX推進を行う際のコツ

介護業界においてDXを円滑に推進するためには、次の3つのコツを意識する必要があります。

ステップを設計する

まず重要なのは、DXを実現するまでのステップを設計することです。

介護の現場では、働く職員の全員がデジタルツールの利用に慣れているわけではありません。中には苦手意識を持っている人もいるでしょう。
DXを実現させるためには、そのような人達も無理なくツールを使いこなせるよう、教育し慣れてもらうステップが必要です。

現場での積極的なツール活用を促すためにも、このステップは非常に重要です。
くれぐれも、ツールだけ導入してすぐに実践に移すというような、ステップを無視したDX推進は行わないようにしましょう。

現場の従業員の理解を得る

導入したデジタルツールを実際に利用するのは現場の従業員です。そのため、DXを実現するためには、DXの意義や具体的なツールの使い方について、従業員の理解を得なければなりません。
この理解が不足していれば、現場の協力は得られず、DXは実現できないでしょう。

また、現場の従業員に理解を得るためには、経営者や管理職が率先して、DXに取り組み、そのメリットを伝えていく必要があります。
経営者や管理職がリーダーシップを取りながら積極的に取り組むことにより、現場の理解は得やすくなるでしょう。

従業員にメリットを実感してもらう

DXには、多くのメリットが期待できます。従業員の抱える大きな負担も、DXが実現できれば、軽減されていきます。

DX推進にあたっては、このようなメリットをアピールしていくことも大切です。自身がどのようなメリットを得られるのかを知れば、DX推進に対する従業員のモチベーションは向上するでしょう。

まとめ

介護業界におけるDX事例をご紹介しました。

人をケアする介護分野では、どうしても人の手による業務が中心となるため、職員の負担が重くなりがちです。しかし、DXを推進しデジタル技術を活用すれば、この負担は軽減することができます。
今後も、日本では高齢化と人手不足が進んでいくと予想されますが、DXの実現はこの課題を解決する手段となるでしょう。

ただし、DXを実現するためには、現場の理解が重要です。推進にあたっては、現場の職員に寄り添ったステップ設計を行い、モチベーション管理も実施して、全社一丸となって施策に取り組むようにしてください。