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ECサイト、つまりネットショップは、事業者にとって欠かせない商品販売手段のひとつです。近年サイト構築のハードルが下がったこともあり、多くの事業者がネットショップの運営を始めるようになりました。
しかしその中には、開業したものの運営に失敗し、ショップを畳むことになった事業者も存在します。

では、ネットショップはどのような原因で失敗してしまうのでしょうか。問題なく運営するためには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。

今回は、ネットショップの開業で失敗してしまう原因を詳しく解説します。

ネットショップの開業に失敗する原因

ネットショップを開業後、運営に失敗してしまう原因としては、次のようなことが考えられます。

  • ①コンセプトを考えていなかった
  • ②集客に対する考えが甘かった
  • ③リピーター対策を全く行わなかった
  • ④ショップにオリジナリティが足りなかった
  • ⑤利益率が低い商品のみを扱っていた
  • ⑥顧客目線で考えていなかった
  • ⑦スムーズな顧客対応ができていなかった
  • ⑧在庫過多になっていた
  • ⑨検索順位に頼りすぎていた
  • ⑩優秀な人材を確保していなかった

それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

【原因①】コンセプトを考えていなかった

ネットショップにとって、コンセプトの設定は非常に重要です。

コンセプトは、ショップ運営の軸となるもの。これが決まっていないと、そのショップの世界観を表現することはできません。取り扱う商品もターゲットも定まらず、ショップの強みも生まれないでしょう。また、ターゲットを見据えた効果的な施策やメッセージも打ちにくくなってしまいします。
このような状態では、ショップの特徴を出すことができず、数多くあるネットショップの中から消費者に選んでもらうことは困難でしょう。

ネットショップの開業で失敗しないためには、まずコンセプトを明確にし、それをもとに運営を行うことが、大切です。

【原因②】集客に対する考えが甘かった

ネットショップを開業しても、自動的に消費者が訪れるということはありません。
ネットの世界には、莫大な数のショップがあります。その中から消費者に自社のショップを偶然見つけてもらえる可能性は限りなく低いため、売上を得るためには、ショップは集客施策に力を入れる必要があります。これには、時間もコストもかかるでしょう。

また、集客施策を打っても、その効果はすぐに現れません。集客や売上に施策の効果が反映されるまでにはある程度の時間がかかります。
このことを理解していないと、効果が出るまでに資金繰りが苦しくなることも考えられます。

集客に対する考えが甘いと、ショップ運営はうまくいきません。ネットショップ開設にあたっては、集客についてもよく検討しておくことが大切です。

【原因③】リピーター対策を全く行わなかった

リピーターによる売上は、ショップの基盤となります。新規顧客による売上だけで、継続的かつ安定的な売上を作ることは困難でしょう。
そのため、ショップ運営にあたっては、必ずリピーター創出のための施策も実施しなければなりません。

リピーター施策には、メルマガの配信やキャンペーンの実施、リターゲティング広告、会員サービスの充実など、さまざまなものがあります。
より効果的なアプローチを行うためには、ターゲットに合った施策を見極めることが大切です。

【原因④】ショップにオリジナリティが足りなかった

消費者に、多数のネットショップの中から自社のショップで買い物をしてもらうためには、オリジナリティが必要です。
どこにでもある商品や世界観、デザイン、サービスのショップでは、競合他社との差別化を図ることはできません。結果として、多数のショップに埋もれてしまい、集客も売上も伸びなくなってしまいます。

ネットショップを成功させるには、消費者に「このショップじゃなくては!」と思わせる特徴が必要なのです。

【原因⑤】利益率が低い商品のみを扱っていた

利益率が低い商品ばかりを扱っていては、ネットショップの利益を十分に確保することはできません。ネットショップでは、実店舗と異なり、商品を発送するための作業が必要になるためです。
この作業で発生する配送料や人件費を考えると、利益率が低い商品ばかりを売っていては、ショップの経営は成り立ちません。

価格差別化は集客に有効です。しかし、安い商品の単品購入では十分な利益を確保できません。
アップセルやクロスセル施策を通じて、高価な商品や複数の商品を消費者に購入してもらうことが、開業したネットショップを失敗させないポイントとなります。

【原因⑥】顧客目線で考えていなかった

顧客目線で物事を考えなければ、ネットショップは成功しません。顧客目線がなければ、扱う商品や商品に関する情報提供、サイトのUI、発送作業、問い合わせ対応、などといったネットショップを構成する要素が洗練されず、消費者に選んでもらうことができないためです。
欲しい商品や情報がないショップに消費者は集まりませんし、そもそもサイトが使いにくいと購入前の離脱は増えてしまうでしょう。

顧客目線で物事を考えることは、顧客満足度向上に繋がります。顧客満足度が上がれば、リピーターは増え、安定的な売上を確保できるようになるでしょう。

【原因⑦】スムーズな顧客対応ができていなかった

顧客対応の質は、顧客満足度を左右します。
特にネットショップで顧客満足度を向上させるためには、商品の発送作業や問い合わせ対応をスムーズかつ丁寧に行わなければなりません。発送が遅かったり問い合わせ対応が丁寧でなかったりした場合、そのショップを再び利用しようと思う消費者はいないからです。場合によっては、顧客対応の質の低さがクチコミで広がってしまうこともあるでしょう。

反対に、質の高い顧客対応を徹底した場合、利用者が良い評判を口コミで広げてくれることも考えられます。
リピーター創出はもちろん、新規顧客獲得のためにも、スムーズで丁寧な顧客対応を心がけましょう。

【原因⑧】在庫過多になっていた

在庫管理がうまくいかず、在庫が増えすぎて失敗してしまうネットショップは少なくありません。多すぎる在庫は売れ残りのリスクが高く、またその保管にもコストがかかります。かといって、在庫が少なすぎると販売機会を失う可能性もあります。
商品在庫は、多すぎず少なすぎない適正量を保つことが大切なのです。

在庫を適正に保つためには、データをもとに必要な在庫数を見極めながら、正確に在庫管理を行うことが重要です。そのためには、受注販売方式をとったり在庫管理ツールを活用したりすることも検討しましょう。

【原因⑨】検索順位に頼りすぎていた

ネット上での検索順位上位を目指すことは、ネットショップの集客に有効です。
しかし、検索順位だけに頼りすぎていては、十分な集客・売上は見込めません。

集客・売上を上げるためには、検索順位に頼りっぱなしになるのではなく、広告やSNS、キャンペーンなどの施策を通し、より積極的な集客を行うことが重要です。そうすれば、「検索して上位に表示されたから」ではなく、初めから自社のショップを目当てに訪れる消費者は増えるでしょう。

【原因⑩】優秀な人材を確保をしていなかった

優秀な人材に退社されてしまい、ネットショップの運営がうまくいかなくなることも考えられます。自社を辞めた人材が同業他社のネットショップ担当になっていたという例も珍しくはありません。

ネットショップをうまく運営していくためには、ノウハウやセンスを持った優秀な人材を確保することも大切です。そのためには、待遇や労働環境を見直すことも必要でしょう。

成功しているネットショップが共通してやっていること

成功しているネットショップは、共通して次の施策に力を入れています。

  • ①信頼できる情報の掲載
  • ②ユーザーを離脱させない工夫
  • ③SEO対策

それぞれどのような施策なのかご説明します。

ECサイトの成功事例10選を業界別に紹介:売上アップのコツも解説』では、各ジャンルのECサイトの具体的な事例と共に、成功事例に共通する要素を抽出して解説しています。ぜひこちらもご参照ください。

【共通点①】信頼できる情報の掲載

実店舗のないネットショップでの商品購入に不安を感じる消費者は多いでしょう。そこで重要なのが、ショップページに信頼できる情報を掲載すること。成功しているショップでは、消費者に安心してサイトを利用してもらうため、掲載情報にこだわっています。

掲載すべき情報の例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 電話番号や住所など会社の基本情報
  • 買い物ガイド(利用規約)
  • 決済方法
  • 発送方法
  • 生産者やスタッフの顔写真 など

これらの情報をわかりやすく、目につく場所に掲載することで、消費者の安心感は向上します。

また、利用者の口コミを掲載したりコンテンツを制作して消費者が求めている情報を積極的に発信したりすることも、消費者の安心感向上や集客に効果的でしょう。

【共通点②】ユーザーを離脱させない工夫

ネットショップを成功させるには、ユーザーを離脱させない工夫を行うことがポイントとなります。
ユーザー離脱を防止するために特に重要なのが、サイトのUI。使いにくかったりわかりにくかったり、また手続きに手間がかかったりするサイトでは、UIは低下し、ユーザーは商品を購入する前にサイトから離脱しやすくなってしまいます。

人気の高いショップでは、ユーザーの離脱を防ぐために、情報の提示や便利な機能、デザインにこだわって、使いやすさやわかりやすさを実現しています。また他ツールとの連携により、面倒に感じやすい個人情報の入力を省略できるようにしているショップも多く見られます。

ユーザーの離脱(カゴ落ち)対策については「【対策別】おすすめのカゴ落ち対策ツール9選!カゴ落ちの原因等」でも詳しく解説しています。

【共通点③】SEO対策

成功しているネットショップは、SEO対策にも力を入れています。
SEO対策とは、検索エンジンのアルゴリズムを踏まえ、自社ショップが検索上位に表示されるよう工夫することを指します。具体的には、キーワードを意識したコンテンツ作成やサイトマップの作成などが、SEO対策として有効です。
適切なSEO対策によって自社ショップが検索上位に表示されるようになれば、集客は増えるでしょう。

ただし、前章でもご紹介したとおり、SEOによる検索順位だけに集客を頼るのはおすすめしません。SEO対策は、あくまで集客施策のひとつと考えるべきでしょう。

まとめ

ネットショップの運営がうまくいかない場合には、まず「なぜうまくいかないのか」という原因を見極める必要があります。失敗原因を理解した上で、その失敗への対策をとれば、運営は改善されていくでしょう。
また、他ショップの成功事例を参考にするのもおすすめです。

ネットショップでの失敗にはさまざまな原因が考えられますが、中でも集客に手こずる事業者は多いです。自身で一からの集客施策を行うのが難しいと感じる場合には、ECモールへの出店や、BASEやShopifyのような集客機能の多いASPの利用など、ネットショップの作成方法にもこだわるようにしましょう。