こんにちは。新規事業の開発や既存業務の効率化などに使える補助金・助成金の無料診断 / 申請支援を行う『補助金サポート』を提供しているクラウド軍師運営チームです。
国や自治体は、より良い将来のために積極的に取り組む事業者に対し、金銭的な補助を行なっています。それが、補助金制度です。
補助金制度にはさまざまな種類があり、種類によって対象者や補助の内容は異なります。そしてそのひとつに、「ものづくり補助金」があります。
「ものづくり補助金」は、変化する社会に対応する中小企業に向けた制度。その利用は、リソースの限られる中小企業にとって、大きな助けとなるでしょう。
そこで今回は、この「ものづくり補助金」に注目し、2024年第17次公募における応募の詳細をわかりやすくご紹介していきます。
そもそも補助金とは?
補助金とは、国や自治体が事業者に対して給付するお金のこと。その対象は、国・自治体のビジョンに合った取り組みを行う事業者であり、取り組み等の要件は補助金の種類によって異なります。
例えば、中小企業を対象に現在実施されている補助金には、次のようなものがあります。
- 事業再構築補助金
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
- 創業助成事業
- 小規模事業者持続化補助金
- 事業承継・引継ぎ補助金 等
今回は、この中のものづくり補助金に注目していきます。
その他の補助金・助成金については、以下でご紹介しています。
「【2023年度】DX推進に使える補助金・助成金まとめ:注意点・申請の流れも解説」
「ECサイト構築に使えるIT導入補助金を詳しく解説:その他のIT補助金も紹介」
必ずしも事業の全額が給付されるわけではない
補助金について理解しておきたいのが、「対象事業にかかった全額が給付されるわけではない」「必ず採択されるわけではない」ということです。
補助金については、各制度ごとに、補助対象となる経費・補助対象外となる経費が定められています。さらに、費用の補助上限額や補助率も設定されています。
そのため、どんな経費であっても、無制限に補助を受けられるわけではありません。「どの経費が補助対象なのか」また「自社の補助上限額と補助率はいくらなのか」は、事前によく確認しておく必要があります。
補助対象経費
機械装置・システム構築費 | ①機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用に要する経費 ②専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費 ③改良・修繕又は据付けに要する経費 |
運搬費 | 運搬料、宅配・郵送料等に要する経費 |
技術導入費 | 知的財産権等の導入に要する経費 |
知的財産権等関連経費 | 特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用等 |
外注費 | 新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の 一部を外注(請負、委託等)する場合の経費 |
専門家経費 | 本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費 |
クラウドサービス利用費 | クラウドサービスの利用に関する経費 |
原材料費 | 試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費 |
※機械装置・システム構築費以外の経費にはそれぞれ補助上限額がありますのでご注意ください。
必ず採択されるわけではない
また、補助金は、申請した全ての事業者が採択されるわけではありません。申請後の審査によって、補助金が不支給とされるケースもあります。
特に補助金は助成金と比べても審査のハードルが高いといわれています。採択されても実際の給付は後払いとなることを考えても、補助金だけをあてにした事業計画は避けた方が良いでしょう。
とはいえ、補助金は後から国や自治体に返済する必要がありません。採択されれば、企業は大きなチャンスを掴むことになります。
事業においては補助金だけをあてにすべきではないですが、このチャンスはうまく活用すべきでしょう。
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金とは、これから数年に渡って行われる各種制度変更への対応を受け、事業者が取り組む革新的なサービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善に際して、それらを実行するための設備投資等をサポートするための補助金制度です。
上記の各種制度変更とは、働き方改革やインボイス制度、被用者保険の適用拡大、賃上げ等のこと。近年、日本ではこれらの制度変更が続いています。各企業はコストをかけて、設備や体制の面でそれらに対応しなければなりません。
ものづくり補助金は、企業のこの対応を支援するものです。
ものづくり補助金は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。そして、その対象となるのは中小企業や小規模事業者に限られます。
従来、国や自治体による補助金は、大企業や大学の研究開発に対し、積極的に行われてきました。しかし、ものづくり補助金では日本企業の多くを占める中小企業等を対象とした点が大きな特徴。これまでの補助金と比べ、その裾野は広がったといえます。
また、この補助金は2013年に開始され、その後制度の内容を変えながら続けられてきました。2024年においても、17次の公募が決定しています。ただし、その制度内容が前回と比較して変わっている点には、注意しなければなりません。
そこで今回は、2024年度17次の公募要領と変更点について解説していきます。
【最新情報】ものづくり補助金17次公募の概要
ここからは、2024年1月現在におけるものづくり補助金17次公募について、最新の概要をご紹介していきます。先述のとおり、17次公募は16次までとは異なる部分が多いので、その内容はよく確認するようにしましょう。
第17次は省力化枠のみ
ものづくり補助金のこれまでの公募では、「一般型」や「通常枠」、「デジタル枠」、「グリーン枠」など複数の申請枠が設定されていました。
しかし、17次公募における枠は、1つのみ。それが、「省力化(オーダーメイド)枠」です。
「省力化(オーダーメイド)枠」は、デジタル技術の導入・活用によって、生産プロセスやサービス提供を効率化・高度化し、人手不足解消を図る事業者を対象にした申請枠。そのために必要な設備やシステム投資にかかるコストを補助するものです。
この申請枠で重視されるのは、デジタル技術を活用して効率化を進めること。ただ単に機械を導入するだけでは補助の対象にはならないので注意しましょう。
省力化枠の申請要件
「省力化(オーダーメイド)枠」で申請を行うためには、事業者は次の要件を全て満たす必要があります。
- 以下3つの条件を満たす3〜5年の事業計画を策定し、実行すること(基本要件)
- ①付加価値額を年平均成長率+3%以上増加させること
- ②給与の支給総額を年平均成長率+1.5%以上増加させること
- ③事業場内の最低賃金が地域別最低賃金の+30円以上であること
- 補助事業において、3〜5年の事業計画期間内で、設備投資前よりも労働生産性が2倍以上となる事業計画を策定すること
- 3〜5年の事業計画期間内に、投資回収可能な事業計画を策定すること
- 外部Sler(システム開発・運用を行う企業)を利用する場合には、3〜5年の事業計画期間内における保守・メンテナンス契約を事業者とSlerの間で締結し、Slerは必要な保守・メンテナンス体制を整備すること
- 補助事業に関する資金について金融機関からの調達を予定している場合には、金融機関に事業計画の確認を受け、その確認書を提出すること(この金融機関は任意の機関で構いません)
これらの要件を満たすためには、綿密な事業計画の策定が必要です。補助金申請時には、予定している事業の事業計画書を事務局へ提出することとなるため、計画策定は上記の要件を踏まえ、慎重に行うようにしましょう。
また、前提として、中小企業・小規模事業者等の要件を満たす必要がある点にも注意しなければなりません。この要件については『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(17次締切分)』をご確認ください。
万が一、事業計画に基づいた事業を実施する中で上記の基本要件等が未達となった場合には、事業者は受け取った補助金の返還を求められることもあるので、要件の確認は慎重に行うようにしましょう。
省力化枠の補助金額と補助率
次に、「省力化(オーダーメイド)枠」における補助金額と補助率をみていきましょう。
【省力化枠の補助金額】
従業員数 | 補助金額 |
5人以下 | 100〜750万円 |
6〜20人 | 100〜1,500万円 |
21〜50人 | 100〜3,000万円 |
51〜99人 | 100〜5,000万円 |
100人以上 | 100〜8,000万円 |
【省力化枠の補助率】
補助金額1,500万円まで | 補助金額1,500万円超過分 | |
中小企業 | 2分の1 | 3分の1 |
小規模企業者・小規模事業者・再生事業者 | 3分の2 | 3分の1 |
『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 第17次公募要領』より
このように、従業員数や会社の規模によって補助金額や補助率は異なります。申請にあたっては、自社がどのくらいの補助を受けられる可能性があるのか、しっかり確認しておくようにしましょう。
大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例
ものづくり補助金の17次公募においては、特例として「大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例」も設定されています。
これは、大幅な賃上げに取り組む事業者を対象にした補助金額上乗せのための特例です。
特例の申請要件
「大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例」の適用を受けるためには、事業者は次の要件を全て満たす必要があります。
- 以下3つの条件を満たす3〜5年の事業計画を策定し、実行すること(基本要件)
- ①付加価値額を年平均成長率+3%以上増加させること
- ②給与の支給総額を年平均成長率+1.5%以上増加させること
- ③事業場内の最低賃金が地域別最低賃金の+30円以上であること
- 事業計画期間において、基本要件である給与支給総額を年平均成長率1.5%以上増加させることに加え、更に年平均成長率4.5%以上増加させること(合計6%以上)
- 事業計画期間において、事業場内最低賃金を毎年地域別最低賃金+50円以上の水準とし、さらに事業場内最低賃金を毎年年額+50円以上増額すること
- 応募時に、上記の達成に向けた具体的かつ詳細な事業計画書を提出すること
特例の補助引き上げ額と補助率
「大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例」の補助引き上げ額と補助率は次のとおりです。
【特例の補助引き上げ額】
従業員数 | 補助金額 |
5人以下 | 上限から最大250万円 |
6〜20人 | 上限から最大500万円 |
21〜50人 | 上限から最大1,000万円 |
51〜99人 | 上限から最大1,500万円 |
100人以上 | 上限から最大2,000万円 |
【特例の補助率】
引き上げ後の補助金額1,500万円まで | 引き上げ後の補助金額1,500万円超過分 | |
中小企業 | 2分の1 | 3分の1 |
小規模企業者・小規模事業者 | 3分の2 | 3分の1 |
『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 第17次公募要領』より
ものづくり補助金の申請スケジュール
ものづくり補助金の申請は、以下のスケジュールで進められます。
- 公募開始:2023年12月27日(水)17:00〜
- 電子申請受付:2024年2月13日(火)17:00〜
- 申請締切:2024年3月1日(金)17:00まで※時間厳守
- 採択発表:2024年5月中旬※予定
- 補助事業実施期間:2024年12月10日(火)まで
補助金申請の手続きは、GビズIDのアカウント取得後、専用の電子申請システムから行うことになります。このアカウント発行には一定の期間が必要になるので、手続きは早めに進めておくようにしましょう。
また、申請締切に間に合うよう、余裕のある手続きを心掛けてください。
補助金申請・支払いの流れ
ものづくり補助金の申請から支払いまでは、次のような流れで進められていきます。
- 事前準備(書類の用意・GビズIDアカウントの取得等)
- 公募開始・公募要領の発表(2023年12月27日)
- 申請受付(2024年2月13日〜3月1日まで)
- 事務局による審査(書面審査・口頭審査・審査委員会)
- 補助金交付候補者の決定・発表(2024年5月中旬予定)
- 交付申請の実施
- 交付決定
- 対象補助事業実施・中間検査(2024年12月10日まで)
- 実績報告
- 確定検査・補助金額の確定
- 補助金請求(2025年1月31日まで)
- 補助金の支払い
- 事業化状況報告・知的財産権報告
このように、ものづくり補助金を申請して受け取るまでには、複数の手続きと長い時間が必要です。全ての手続きと事業を完了し、検査において問題が見つからなかった場合のみ、補助金は支払われます。
補助事業実施期間を長く確保するためにも、採択決定や交付決定の通知が来る時期にはメールやマイページをよく確認し、速やかに次の手続きに進むようにしてください。
また、事業が終わって補助金が支払われてからも、事業者は事務局への報告を続けなければなりません。それが、「事業化状況報告・知的財産権報告」。その内容は、直近の最低賃金や付加価値額・給与支給総額の実績、補助事業の収益化状況等です。
「事業化状況報告・知的財産権報告」は、3〜5年の事業計画期間、また補助事業終了後5年間続ける必要があり、毎年4月に事務局の依頼を受けて行うことになります。
ものづくり補助金におけるこれらの手続きは100%電子化されており、電子申請システムを通して行います。紙の書類をやり取りする必要はありません。
【17次公募】ものづくり補助金の変更点
ここからは、ものづくり補助金の17次公募・18次公募における、前回公募からの変更点を確認していきましょう。
17次・18次公募の大きな変更ポイントは次の3つです。
- 省力化(オーダーメイド)枠の新設
- 製品・サービス高付加価値化枠の新設等
- 大幅賃上げに係る補助上限額引き上げ特例の拡充
上記ポイントを中心に、変更点を解説します。
省力化(オーダーメイド)枠の新設
第17次公募の申請枠は「省力化(オーダーメイド)枠」のみ。これは今回の公募から新設された枠です。
この枠では、生産工程を自動化し業務を効率化するため、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等のデジタル技術を活用し、業務に合わせて設計された機械装置やシステムの導入投資を補助します。
前回の16次では、「通常枠」「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」「グローバル市場開拓枠」の5つの枠が設定されていたことを踏まえると、17次の申請枠設定は大きく変化したといえるでしょう。
製品・サービス高付加価値化枠の新設等
ものづくり補助金については、2024年中の18次公募(申請受付:2024年3月11日〜3月27日まで)も決定しています。そしてこの公募においては「製品・サービス高付加価値化枠」が新設されることになっています。
「製品・サービス高付加価値化枠」は、高い付加価値を持つ革新的な製品・サービスの開発に必要な設備投資をサポートするもの。「通常類型」と「成長分野進出類型(DX・GX)」の2種類に分類されていて、それぞれ補助上限額や補助率は下表のように異なります。
従業員数 | 補助上限額(大幅賃上げを行う場合) | 補助率 | |
通常類型 | 5人以下 | 750万円(850万円) | 中小企業2分の1 小規模・再生3分の2 新型コロナ回復加速特例3分の2 |
6〜20人 | 1,000万円(1,250万円) | ||
21人以上 | 1,250万円(2,250万円) | ||
成長分野進出類型 | 5人以下 | 1,000万円(1,100万円) | 3分の2 |
6〜20人 | 1,500万円(1,750万円) | ||
21人以上 | 2,500万円(3,500万円) |
『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 第17次公募要領』より
また、18次では従来の申請枠である「グローバル枠」が設定されることも決まっていて、その補助上限額は3,000万円(大幅賃上げによる引き上げ有り)となっています。
大幅賃上げに係る補助上限額引き上げ特例の拡充
「大幅賃上げに係る補助上限額引き上げ特例」が拡充されたのも、17次以降の公募の大きな特徴でしょう。
この特例では、大幅な賃上げに取り組んだ事業者に対し、補助金の上限額を大きく引き上げます。
具体的な要件や引き上げ額は前章でご紹介したとおり。要件をクリアし特例が適用されれば、より大規模な事業の実施が可能になります。
その他
17次・18次公募では、他にも変更点が複数あります。中でも注目しておきたいのが、以下の2点です。
- 口頭審査の導入
- 助成金との連携
ものづくり補助金では、17次公募から、書面審査に加え、一部の事業者に対し申請受付後の口頭審査を導入することになっています。
この対象となるのは補助金の申請額が一定規模以上である事業者。審査は15分程度かけてオンラインで行われます。
事務局はこの審査を通して、事業の適格性や革新性、優位性、実現可能性等を判断するようです。
この17次公募における口頭審査の実施は、2024年4月1日〜2024年4月12日で予定されています。
また、18次公募から助成金との連携が可能になった点も、大きな変更のひとつ。「製品・サービス高付加価値化枠」に申請し、交付決定を受けた中小企業は、人件費の一部を助成金で助成してもらうことが可能です。
この制度で連携できる助成金は「産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)」で、助成額は人員1人あたり180〜250万円とされています。
ただし、この助成金を受けるにも事業者は複数の要件を満たさなければならないので、要件の確認は慎重に行うようにしましょう。
詳しくは厚生労働省ホームページの『産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)』をご確認ください。
ものづくり補助金の申請方法
ここからは、ものづくり補助金の申請方法を詳しく確認していきましょう。
補助金の申請は、次の流れで実施します。
- ①補助金の概要確認:申請要件・対象事業・補助金額・補助率・各手続きの期日・その他ルール等を確認し、自社での適用が可能か判断する
- ②電子申請システムのアカウント取得:GビズIDプライムに登録し、アカウントを取得する
- ③提出書類の用意:申請時に提出しなければならない書類を用意し、電子ファイルにしておく
- ④電子申請の開始:取得したアカウントを利用して電子申請システムにログインし、補助金申請に必要な情報を入力する
- ⑤書類添付:③で用意しておいた書類を電子申請システム上にアップロードする
- ⑥申請の送信:記入内容や添付書類に間違いがないことをよく確認した上で、申請の送信を行う
- ⑦審査・採択結果の通知:申請期日後2ヶ月前後で事務局の審査が終わり、その結果がメールやマイページで通知される
これらの手続きは、全て電子化されています。申請に当たっては、パソコンやインターネットなど環境整備をしておくようにしましょう。
また、補助金の各種手続きは、期日厳守です。よって、これらの手続きは、期日に余裕を持って行うことが大切です。
特に、先述のとおり、GビズIDプライムのアカウント取得には一定の期間が必要なので、申請期日ギリギリにアカウント取得の手続きを行うことのないよう注意しましょう。
申請に必要な書類
ものづくり補助金の申請には、複数の書類の提出が必要です。事業者が用意しなければならない書類を一覧でご紹介します。
- 事業者情報(法人番号、代表者氏名、本社所在地、株主等一覧等)
- 経費明細
- 事業計画書(事業計画名、事業計画書の概要、事業計画書算出根拠含む)
- 補助経費に関する誓約書
- 賃金引上げ計画の誓約書
- 決算書等(賃借対照表、損益計算書等)
- 従業員数の確認書類
- 労働者名簿
- 再生事業者であることを証明する書類(再生事業者のみ)
- 大幅な賃上げ計画書(特例を適用させる場合のみ)
- 金融機関による確認書(金融機関から融資を受ける場合のみ)
- 加点にかかるエビデンス(加点事業者のみ)
各書類には要件が設定されており、事業者の種類や規模によって提出しなければならない書類は異なります。詳細は公募要項にて、よく確認しておくようにしてください。
ものづくり補助金を申請する際の注意点
ものづくり補助金の申請にあたっては、注意すべきポイントが複数存在します。ここでは、その中でも特に気をつけたい4つの注意点について解説していきます。
補助金は必ず受け取れるわけではない
ものづくり補助金は、申請すれば必ず受け取れるというものではありません。要件を満たし、かつ実現可能な事業計画を作成し、それが事務局に認められて初めて、採択となります。
事業の実施においては、補助金はあくまで一つの手段として捉え、別の資金調達方法も検討しておくようにしましょう。
事前のアカウント取得を忘れない
しつこいようですが、ものづくり補助金の申請にあたっては、GビズIDプライムのアカウント取得が必要です。アカウント取得には時間がかかるため、この手続きは一番初めに済ませておくようにしましょう。
アカウント取得が申請期日に間に合わなければ、申請はできなくなってしまうので気をつけてください。
各種期日を厳守する
ものづくり補助金の申請から振り込みまでには複数の手続きが必要で、各種手続きには期日が設けられています。補助金を受け取るためには、この期日は必ず守るようにしましょう。
特に補助事業実施期間についてはよく確認し、綿密なスケジュールを事前に策定しておくことが大切です。
採択後の手続きは速やかに進める
補助金関連の手続きは、申請だけで終わりではありません。申請後採択を受けてからも、交付申請や事務局への報告等、行うべき手続きはたくさんあります。
期日を守るためにも、これらの手続きは速やかに進めるようにしましょう。中でも、交付申請はなるべく早く行うことをおすすめします。補助事業の実施期間をできる限り長く確保するためです。
【審査通過率は50%程度】採択されるためのポイント
ものづくり補助金の採択率は50%前後。申請後の審査で、半数が不採択となってしまいます。
そんな中で採択の可能性を高めるためには、申請手続きにあたって、次の2つの点を意識することが重要です。
- 要件を理解し、満たすこと
- 加点項目・減点項目を把握しておくこと
補助金の交付にあたっては、要件のクリアが最初のハードルとなります。ものづくり補助金には複数のやや複雑な要件が設定されていますが、その内容についてはよく理解し、それを満たす状態で申請を行うようにしましょう。
さらに、加点項目や減点項目を把握しておくことも、補助金申請の重要ポイントです。加点項目は満たすことで採択に有利となる事項、減点項目は不利となる事項のこと。
具体的な内容については公募要項に記載されているので、事前に確認しておくようにしてください。
また、審査にあたっては事業計画書の質が特に重要視されます。その内容は要件等を踏まえ、わかりやすくかつ綿密に策定すべきでしょう。
まとめ
制度変更への対応を迫られる中小企業や小規模事業者にとって、ものづくり補助金はリソース不足という課題の解消に繋がる制度です。補助金額も比較的大きいため、これを受け取ることができれば、事業者はより積極的に新しい事業を展開していくことができるでしょう。
ただし、ご紹介したとおり、ものづくり補助金の採択率は50%程度。全ての事業者が必ず受け取れるわけではありません。
自社が採択される確率を高めるためにも、申請にあたっては、要件等をよく理解した上で、「審査に通りやすい事業計画の策定」を心掛けましょう。
零細企業から大手企業まで多くのクライアントを持ち、補助金申請・各種許認可申請・ビザ取得申請・入札参加資格申請・法人設立等多くの分野でサポートを行う行政書士法人。経産省系補助金だけでこれまで150件以上のサポートを行っており、採択額は30億円超。
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