こんにちは。シングルサインオン『jugaa』を開発している
クラウド軍師運営チームです。

ECサイトには、複数の構築方法が存在します。例えば、「ASP」や「オープンソース」、「フルスクラッチ」など。
「ECパッケージ」もそのひとつです。

では、このECパッケージとはどんな構築方法なのでしょうか。

今回はECパッケージによるEC構築の特徴について詳しく解説します。

ECパッケージとは

ECサイトに必要な機能がワンパッケージになったソフトのことを、「ECパッケージ」と呼びます。

このソフトには、EC運営に必要な全ての機能があらかじめ搭載されているため、ゼロから機能を実装していく必要がありません。サーバにソフトをインストールするだけでEC構築ができるので、何もないところから作業を行う「フルスクラッチ」などと比べると、簡単にECを構築することが可能です。

ただし、ECパッケージの利用には、高額な初期費用がかかります。よって、この方法はどちらかといえば大規模企業および大規模EC向けだと言えるでしょう。

ECサイトに必要な機能

ECサイトに必要な機能は、大きく「フロント機能」と「バックエンド機能」の2種類に分けられます。

フロント機能

フロント機能は、ECのユーザーが直接目にする機能のこと。具体的には以下の機能が挙げられます。

  • 商品検索機能:条件を絞りながら欲しい商品を検索できる
  • マイページ機能:登録情報や購入履歴、ポイント・クーポン情報などユーザー個人の情報を管理する
  • カート・決済機能:商品の購入を可能にする
  • 問い合わせ機能:運営企業に対する問い合わせフォーム、チャットなど
  • お気に入り機能:気になる商品をチェックしておける
  • レコメンド機能:購入・閲覧履歴をもとにしたおすすめ商品の表示
  • レビュー機能:ユーザーによる商品利用の感想の投稿・表示
  • FAQ:よくある問い合わせとその回答
  • ソーシャルログイン機能:SNSとの連携
  • セキュリティ機能:ECサイトやユーザーの個人情報を守るための対策 など

これらの機能は、EC上でユーザーが利用するものです。その内容を充実させておけば、EC利用における顧客満足度は向上し、集客や売上もアップする可能性があります。
また、機能の搭載においては、そのユーザビリティも重視する必要があるでしょう。

バックエンド機能

バックエンド機能とは、ユーザーは目にすることのない裏方の機能のこと。
具体的には、次のようなものが挙げられます。

  • 受注管理機能:ユーザーからの商品受注情報を管理する
  • 発送管理機能:ユーザーへの商品発送情報を管理する
  • 在庫管理機能:商品の在庫や数、場所などを管理する
  • 顧客管理機能:ユーザーの情報を管理する
  • 売上管理機能:ECサイトの売上を管理する
  • コンテンツ管理機能:ECサイト上のコンテンツを管理する
  • イベント管理機能:ECサイト上のキャンペーンやセールなどのイベントを管理する
  • 問い合わせ管理機能:ユーザーからの問い合わせを管理する

このように、バックエンド機能は管理業務のサポートに用いられるものがほとんどです。これらをうまく併用していくことで、ECの運用を効率的に行うことが可能になります。

ECパッケージに搭載された代表的な機能

前述のとおり、ECパッケージには、ECの運営に必要な機能が一通り揃っています。上でご紹介した「フロント機能」「バックエンド機能」については、そのほとんどが既に搭載されていると考えて良いでしょう。
ただし、どの製品を選ぶかによって搭載機能は大きく異なります。
自社で採用する製品を選ぶ際には、求める機能の有無について必ず確認するようにしましょう。

ECパッケージのメリット

ECパッケージでのEC構築には、次のメリットが期待できます。

  • 短期間でECサイトを構築できる
  • カスタマイズ性が高い
  • セキュリティに強い

3つの点を詳しくみていきましょう。

短期間でECサイトを構築できる

ECパッケージには必要な機能があらかじめ備えられています。ゼロからシステムを開発する必要がないため、短時間でECサイトを完成させることが可能です。
構築期間が短くなれば、その分人件費などのコストを下げることもできるでしょう。

カスタマイズ性が高い

ECパッケージは、カスタマイズ性の高さも魅力です。拡張しやすい設計になっているため、EC運営者のニーズに合った機能やデザインを実現させることができます。

ASPやモール出店では手軽に EC構築ができますが、パッケージほどの拡張性を確保することはできません。
よって、こだわりのEC構築を実現するなら、ASPよりもECパッケージを選ぶべきでしょう。

セキュリティに強い

ECでは、ユーザーの個人情報やクレジットカード情報を扱うため、それらを守る強固なセキュリティが必須です。

ECパッケージの多くには、最初から堅牢性の高いセキュリティが組み込まれています。
また、オープンソースのようにソースコードが公開されていないため、攻撃者のターゲットとなるリスクも高くはありません。

このようなセキュリティに対する信頼性の高さは、EC利用・運用の安心感に繋がります。

ECパッケージのデメリット

ECパッケージの利用においては次のデメリットが懸念されます。

  • 導入コストが高額になる
  • システムが陳腐化する

2つの点について詳しく確認していきます。

導入コストが高額になる

ECパッケージの利用には、高額な初期費用がかかります。
標準的なパッケージであれば、その初期費用の目安は500万~1,000万円ほど。より大規模で多機能な仕様を選べば、それ以上のコストがかかります。

ASPやモール出店に比べコストが高く、小規模ECでは導入コストの採算が取りにくい点は、この方法のデメリットです。

システムが陳腐化する

オンプレミスのECパッケージで構築したシステムは、数年で陳腐化する傾向があります。クラウドシステムと異なり、環境の変化に合わせ、システムを随時アップデートすることができないからです。

数年ごとにシステムを刷新するとなると、その費用や手間は大きなものになるでしょう。
変化に対応する柔軟性が低く、定期的に多額の費用がかかる点は、オンプレミスのECパッケージの懸念点です。

ECパッケージが向いている企業の特徴

ここまでにご紹介した内容から、ECパッケージは次のようなニーズを持つ企業に向いていると考えられます。

  • 年商1億円以上の売上を想定している
  • サイトにオリジナリティを出したい
  • フルスクラッチよりも費用を抑えたい

導入コストが高額なECパッケージは、中・大規模企業向け。初期費用が500万~1,000万円と高額なため、年商1億円以上の企業でなければ、導入コストの回収は困難です。

また、ECパッケージは拡張性に優れています。機能やデザインのニーズに柔軟に対応できるので、ECサイトにオリジナリティを出したい企業にもおすすめです。

サイトのオリジナリティを出すにあたって、最も自由度に優れているのはフルスクラッチですが、この方法はECパッケージ以上にコストがかかります。
そのため、拡張性とコストのバランスを重視するなら、ECパッケージの選択を検討しましょう。

ECベンダーの比較ポイント

ECパッケージを選ぶ際には、製品およびそれを提供するベンダーについて、次のポイントを重視するようにしましょう。

  • ①自社に必要な機能が搭載されているかどうか
  • ②構築実績に類似したサイトがあるかどうか
  • ③時代の変化に対応できるかどうか

3つの点について詳しくご説明します。

【ポイント①】自社に必要な機能が搭載されているかどうか

まず確認すべきなのは、自社が求める機能がその製品に搭載されているかという点。例えば、BtoBのEC構築を目指すなBtoB専用の機能が必要ですし、越境ECを目指すのであれば、海外通販に対応する機能が必要です。
製品によって搭載機能は異なるので、よく確認するようにしてください。

スムーズに比較するには、事前に自社が求める機能を洗い出しておくと良いでしょう。

【ポイント②】構築実績に類似したサイトがあるかどうか

ベンダーの実績を確認することも、製品・ベンダー選びでは大切です。
自社の業種やコンセプトに類似したECサイトを過去に構築し成功した実績があるベンダーであれば、自社のEC構築も成功する可能性は高くなります。

実績を見る際には、デザインの傾向についても確認しておきましょう。

【ポイント③】時代の変化に対応できるかどうか

ECサイトは、流行の移り変わりが激しい分野です。長期間にわたって多くのユーザーに利用してもらえるサイトを作るためには、時代の変化への対応が重要になります。

よって、ベンダーを選ぶ際には、変化に柔軟に対応してもらえるかどうか、またそれにかかるコストも重視するようにしましょう。

具体的なおすすめ製品については、「おすすめのECサイト構築サービスを比較:構築方法別に紹介」もご一読ください。

まとめ

ECパッケージには、最初からサイト運営に必要な機能が搭載されています。
そのため、構築の手間を軽減できる点が、この方法の大きな特徴。拡張性やセキュリティにも強いので、柔軟で安心なサイト構築が叶うでしょう。

ただし、この方法による構築には、導入や運用に多額のコストがかかります。よって、小規模企業や小規模ECには向きません。

企業やそのニーズによって適した構築方法は異なります。ECの構築を成功させるためには、自社に合った方法を慎重に見極めるようにしましょう。