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ここ20年ほどで、EC(eコマース)の市場規模は大幅に拡大しました。現在も拡大は続き、ECサイト(ネットショップ)を開設するブランドやメーカー、またその利用者も増えています。
そんな中で注目が集まっているのが、ECサイトの構築サービスです。
通常、ECサイトの構築には大きな手間と多額の費用がかかります。しかし、この構築サービスを使えば、手間とコストを削減しながら、簡単にECサイトを構築することが可能です。
今回は、数ある構築サービスの中でもWixとShopifyに着目し、それぞれの特徴を比較していきます。
初心者向けのサイト構築サービス
ECサイト構築サービスとは、ECサイトを構築・運用するために必要な一連の機能を提供するサービスのこと。これには多くの種類があり、サービスによって特徴は大きく異なります。
その中でもEC構築・運用初心者向けの機能が揃ったサービスに「Wix」と「Shopify」があります。
Wixとは
Wixは、人気の高いクラウド型ECサイト構築サービスのひとつ。2003年にイスラエルで誕生し、現在では世界中に2億人もの利用者を持ちます。
Wixでは、デザインや機能に優れたホームページ・ECサイトを簡単に作成することができます。ノーコードでの構築が可能であるため、利用にあたってHTMLやCSSなどの専門知識は必要ありません。
ビジネス機能・マーケティング機能も豊富なので、構築後のホームページおよびECサイトの運用もスムーズに行うことができます。
また、基本機能であれば無料で利用できるのも、Wixの特徴(手数料別)。最高水準のセキュリティも備えており、ユーザーはコストを抑えながら安心して自社ECを運用することができます。
Shopifyとは
Shopifyも、世界で利用されているEC構築プラットフォームです。2004年にカナダで誕生したこのサービスは、現在では世界170か国にユーザーを持ち、またその割合はアメリカのeコマース全体の約10%に上ると言われています。
Shopifyは、Wixと異なり、ECサイトの構築に特化したサービスです。デザインや機能のカスタマイズ性は、同じEC構築サービスの中でも高く、商品販売・マーケティングだけでなく、バックオフィス機能も豊富。
複数の販売チャネルを一元管理することも可能です。
ただし、Shopifyの利用は有料。利用には月額費用と決済手数料がかかります。
料金プランは3種あるため、ニーズに合わせたプラン選定が可能です。
Shopifyについては「Shopifyのメリット・デメリットとは?導入におすすめの企業の特徴も紹介 」でも詳しくご紹介しています。
また、ShopifyをはじめとしたCMSツールについては「おすすめ10選|ECサイト構築で利用できるCMSを紹介」でその特徴を開設しています。
【比較表】WixとShopifyの違い
WixとShopifyでは、特徴が大きく異なります。各ツールの主な特徴は、次のとおりです。
Wix | Shopify | |
対象サイト | 各種ホームページ・ECサイトの構築 | ECサイトの構築 |
月額プラン | 1200円〜 ※無料版有り | 25$〜 ※無料トライアル有り |
手数料 | 3.5%程度 | 3.25%〜 |
決済機能 | 約10種類 | 約20種類 |
テンプレートの種類 | 900種類以上 | 100種類以上 |
サイト設計のしやすさ | ◎ | ︎ ○ |
対応デバイス | パソコン・スマホ | パソコン・スマホ |
サイトの規模 | 小規模 | 小規模〜大規模まで |
ここからは、上表をもとに、両サービスの違いについて、詳しくみていきましょう。
【月額プラン】
まずは、月額プランを比較していきます。
Wix
Wixの月額プランは、次のとおりです。
- パーソナル:1,200円/月(個人サイト・フリーランス向け)
- スモールビジネス:2,100円/月(個人事業主・小規模店舗向け)
- ビジネス:2,600円/月(本格ビジネス・ネットショップ向け)
- ビジネスプライム:12,000円/月(事業の成長を重視する企業向け)
※基本機能のみの無料プラン有り
このうち、eコマースの機能を利用できるのは、スモールビジネスから。ECサイト構築を目的とする場合は、スモールビジネス以上のプランを選ぶようにしましょう。
Shopify
Shopifyの月額プランは次のとおりです。
- ベーシック:$25/月(個人事業主向け)
- スタンダード:月額料金$69/月(少人数のチーム向け)
- プレミアム:月額料金$299/月(ビジネス拡大を目指す企業向け)
※最初の1ヶ月は$1
Shopifyのプランは上記の3種類。どのプランでもECサイトを構築・運用することが可能です。
上位プランになるほど機能は豊富になり、また決済手数料が安くなります。
【搭載されている決済機能】
次に、搭載されている決済機能・方法を比較していきましょう。
Wix
Wixの代表的な決済機能はWix Paymentsですが、これは日本に対応していません。よって、国内利用においてはサードパーティの決済代行サービスを利用する必要があります。
これにより、日本で使えるのは、次の決済方法です。
- PayPal
- Stripe
- デジカ(KOMOJU)
- Square, GMOイプシロン
- Alipay(Stripe 経由)
- KOMOJU スマホ決済
- Paidy(KOMOJU 経由)
- Rakuten(KOMOJU 経由)
支払いにあたって発生する決済手数料は3.5%程ですが、サービスによって具体的な金額は変わります。
詳しくは、WixWebサイトの「お住まいの国で利用可能な決済代行サービス」をご確認ください。
Shopify
Shopifyでは、次の決済方法に対応しています。
- Shopify ペイメント
- Apple Pay
- Google Pay
- Shop Pay
- PayPal
- Amazon Pay
- KOMOJU
- 携帯キャリア決済
- Paidy
- SBペイメントサービス
- NP後払い
- atone
- NP掛け払い
- GMOペイメントゲートウェイ
- Smartpay
- 後払い.com
- ペイジェント
- GMOイプシロン
Shopifyの決済方法は、Wixと比べて豊富です。
また、支払いには手数料がかかりますが、利用プラン・決済方法によってその金額は異なります。ベーシックプランでは3.55%〜、スタンダードプランでは3.4%〜、プレミアムプランでは3.25%〜を目安にしてください。
決済方法の詳細についてはShopifyWebサイト「【保存版】Shopifyの決済方法のまとめ:Shop Payからコンビニ払いまでShopifyの決済手数料も紹介」をご一読ください。
【テンプレート(テーマ)の種類】
WixやShopifyには、サイトデザインのベースとなるテンプレート(テーマ)が用意されています。
その数は、次のとおりです。
【Wixのテンプレート】
- 900種類以上(※全て無料)
【Shopifyのテンプレート】
- 無料:12種類
- 有料:100種類以上
Wixは、Shopifyに比べテンプレートの数が非常に多く、また全て無料で使える点が魅力です。
また、どちらのテンプレートもカスタマイズ可能。デザインや機能を拡張して自分好みのサイトを構築することができます。
【サイト設計のしやすさ】
WixとShopifyは、どちらもサイト設計が比較的しやすいサービスです。
強いて言うなら、柔軟性を重視する場合にはWix、デザイン性を重視する場合にはShopifyが向いているでしょう。
Wixでは、かなり細かな設定が可能です。既存コンテンツも多いため、それらを使いながら柔軟にサイトを構築することができます。
また、ホームページの中にECサイトを構築できる点やSEOに強い点も特徴でしょう。
一方のShopifyは、Wixほどの柔軟性を持ちません。ただし、既存コンテンツのデザインが優れているため、簡単にデザイン性の高いサイト構築ができます。
さらに、Shopifyでは、8,000種類以上のアプリを用いた機能の拡張が可能です。
しかし、アプリには日本語対応していないものも多数。利用には語学に長けた人材が必要でしょう。
【対応デバイス】
Wix・Shopifyともに、パソコンだけでなく、スマートフォンに対応しています。パソコン版をスマートフォン版に自動処理できるため、別々にサイト作成を行う必要はありません。
ただし、Shopifyと異なり、Wixでは文字の大きさや位置を細かく調整することが可能。そのため、スマートフォン版においても、細かな調整はしやすいでしょう。
EC構築サービスでは、BASEやSTORESも人気です。これらのプランや機能については「BASE・STORES・Shopifyを比較!どっちが売れる?料金や手数料の違いは?」で解説しています。
WixとShopifyを併用するのも一手
WixとShopifyは、どちらも優れたサービスです。そのため、サービスを併用して両方のメリットを得ると言うのも、EC運用のひとつの手でしょう。
WixとShopifyは、併用することが可能です。その場合、Wixで作ったホームページ内にShopifyで作ったECサイトを埋め込む形になります。
併用によってコストは高くなるものの、うまく運用すれば、より魅力的なサイトを構築し、集客・売上を高めることができるでしょう。
まとめ
WixとShopifyの他にも、EC構築サービスは多数存在し、それぞれ特徴は異なります。
EC構築サービスを利用してECサイトを作成する場合には、各サービスの特徴をよく把握し、自身のニーズと比較するようにしましょう。
ニーズに合ったサービスを利用すれば、EC構築・運用はより効率的で楽になります。
サービス選定にあたっては、まず自身のニーズの優先順位を書き出してみると良いでしょう。