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近年注目されているEC販売の仕組みに、ドロップシッピングと呼ばれるものがあります。これは在庫を持つ必要がないという点でEC事業者にとってメリットとなる仕組み。
しかし、せっかくドロップシッピングを導入しても失敗してしまう事業者は少なくありません。

では、なぜこのような失敗が起きるのでしょうか。失敗を防ぐにはどのような対策を取れば良いのでしょうか。

今回は、ドロップシッピングの失敗要因とその対策について解説します。

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ドロップシッピングのメリットとデメリット

ドロップシッピングとは、ECサイトで購入された商品を、EC事業者からでなく商品を製造するメーカーから顧客へ発送する仕組みです。この場合、商品購入〜配送の手続きは次のような流れで進みます。

【ドロップシッピングの流れ】

  1. 顧客がECサイトで商品を購入する
  2. EC事業者がメーカーに発注を行う
  3. メーカーが顧客への商品発送手続きを行う
  4. 顧客のもとにメーカーから発送された商品が届く

この仕組みによって、EC事業者は複数のメリット・デメリットを受けることになります。

ドロップシッピングのメリット

ドロップシッピングには、次のメリットが期待できます。

  • 在庫を持たなくていい
  • 価格設定を自由に行える
  • 発送作業が不要になる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.在庫を持たなくていい

一般的なネットショップでは、事業者が在庫を持ち、それを顧客に販売する形を取っています。この場合、在庫の管理コストや在庫が残ってしまうリスクを、事業者が負わなければなりません。
しかし、ドロップシッピングであれば、事業者は在庫を抱える必要はありません。管理コストや在庫が残るリスクなしに、商品の販売を行えます。

2.価格設定を自由に行える

ドロップシッピングでは、商品を販売する事業者が自由に価格を設定することができます。販売価格を下げることで、他社と差別化を図り集客に繋げることも可能でしょう。
また、販売価格を高く設定し、自社利益を上げることもできます。

3.発送作業が不要になる

ドロップシッピングでは、梱包・発送業務はメーカーが行います。EC事業者が発送作業を行う必要はありません。
そのため、EC事業者は発送作業にリソースを割かずに済み、その分の人手をコア業務に回すことができます。

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ドロップシッピングのデメリット

ドロップシッピングには、デメリットも存在します。それが次の4つです。

  • 利益を出しにくい
  • 同一商品を扱うライバルが多い
  • 正確な在庫状況の把握が困難
  • 商品の具体的な特徴を消費者に伝えにくい

各デメリットについて確認していきます。

1.利益を出しにくい

商品を仕入れ、自社の在庫にする場合、その量によってはメーカーから仕入れ割引を受けられる可能性があります。しかし、ドロップシッピングではこの割引はありません。

また、ドロップシッピングでは販売価格を上げることもできますが、それでは他社に競り負け、顧客に商品を購入してもらえない恐れがあります。結果として、価格を下げて販売する事業者がほとんどでしょう

このようなことから、ドロップシッピングは利益を出しにくい手法だと言えます。
しかし、独自性のある商品をラインナップしたりSNSなどを通し集客施策を実施したりして、自社ECの魅力を消費者に訴求することで、この課題は解決できる可能性があります。

2.同一商品を扱うライバルが多い

ドロップシッピングを導入している多くのEC事業者は、この販売手法に対応する専門業社を利用しています。専門業社は限られているため、同一商品を販売するEC事業者はどうしても増えてしまいます。
ライバルが多く価格競争が激しくなれば、事業者の利益は減ってしまうでしょう。

そこで重要になるのが、自社ECのブランディング。ブランディングにより「消費者に、自社ECでの商品購入へ価値を見出してもらうこと」が、ライバルに競り勝ち、利益を上げることに繋がります。

3.正確な在庫状況の把握が困難

ドロップシッピングでは、在庫管理はメーカーが行います。よって、商品を販売しているEC事業者が常時商品在庫を正確に把握するのは困難です。
場合によっては、顧客から注文を受けてから商品の在庫切れが発覚するケースもあるでしょう。

人気商品は特に在庫切れが起きやすいです。トラブルを防ぐためには、事業者はメーカーに対しこまめに在庫確認を行う必要があります。

4.商品の具体的な特徴を消費者に伝えにくい

ドロップシッピングでは、EC事業者の手元には商品がありません。そのため、ECサイトの商品ページで商品の具体的な特徴を表現するのが困難になる可能性があります。
商品の魅力を消費者にうまく伝えるためには、たとえ商品が手元になくとも、その情報をしっかり収集することが大切です。

ドロップシッピングの代表的な失敗例

ドロップシッピングでは、次のような失敗例がよく発生します。

  • 値下げしすぎて利益が出なかった
  • 品切れ商品が多くなってしまった
  • 集客ができなかった
  • 広告にコストをかけすぎた
  • 利用サービスが終了してしまった

他社と差別化を図ろうと商品の販売価格を下げすぎて利益が出なくなったり、メーカー品切れ商品が多くなり商品の販売ができなくなったりと、ドロップシッピングならではの失敗例はよく見られます。
また、そもそもの集客ができていなかったり、広告にコストをかけすぎて利益とのバランスが崩れたり、事業が成り立たなくなることもあるでしょう。
中には、利用していたドロップシッピングの専門サービスがいきなり終了してしまい、販売を続けられなくなる場合も。この場合、新たな契約先を見つけるための手間と時間が必要になります。

このような失敗を防ぐためには、まず失敗の要因を正しく把握しなければなりません。その上で、失敗を防ぐための対策を実施しましょう。

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ドロップシッピングで失敗してしまう要因

前章でご紹介したように、ドロップシッピングでは、「過剰な値下げ」や「集客不足」「広告コストによる経費圧迫」などによって失敗してしまう例が多く見られます。
上記以外にも、計画的に事業を運営していなかったために途中でつまずいて挫折したり、サイト構築やライティングの素人感が強すぎて顧客の信頼性を獲得できなかったりして、ショップをうまく運営できない企業は少なくありません。中には、怪しいECコンテンツに投資して詐欺に遭うケースもあるようです。

このような失敗を引き起こす根本要因は、「ドロップシッピングについての理解や準備が足りないまま事業を始めてしまうこと」にあります。知識や事前準備が十分でないからこそ、ドロップシッピングで陥りやすい失敗に足を取られ、運営に失敗してしまうのです。
ドロップシッピングを成功させるには、その仕組みや特徴を正しく理解し、事前準備に力を入れる必要があります。

ドロップシッピングで失敗しないためのポイント

ここからは、ドロップシッピングで失敗しないための具体的なポイントを8つご紹介します。

①ドロップシッピングの事業計画書を作成する
②サイトへの集客対策をしっかりする
③コストを意識して広告を運用する
④適正な価格設定をする
⑤自社のコンセプトに沿ったサイト運営をする
⑥人気商品以外のアイテムもラインナップする
⑦需要のない商品をすぐに入れ替える
⑧諦めずに継続する

各ポイントについて詳しく見ていきましょう。

①ドロップシッピングの事業計画書を作成する

ドロップシッピングを始めるには、事業計画書を作成する必要があります。これは融資を受ける際に提出しなければならない書類ですが、それだけではなく、EC事業を計画的に進める上でのガイドラインとしても役立ちます。
まずは市場調査やその結果を踏まえた計画・目標設定を行い、事業のフレームワークとなる事業計画書を慎重に作成しましょう。

②サイトへの集客対策をしっかりする

そもそも、ECサイトを成功させるには、顧客を集めなければなりません。集客のための施策に力を入れることが、売上に繋がります。

特に、ライバルが多く値下げにリスクのあるドロップシッピングの場合には、複数の施策を通じて自社ECに顧客を呼び込むことが重要になります。具体的な手段として、SEOや広告、SNS、メルマガなどが有効でしょう。

③コストを意識して広告を運用する

広告を打つ場合には、コストを意識することが大切です。
リスティング広告やSNS広告、バナー広告など、Web広告の種類は多く、それぞれ用途やコストが異なります。広告運用は、各広告の特徴・コストを把握した上で、予算の範囲内で行うようにしましょう。
また、広告の効果測定も必ず行い、その結果を今後の運用に反映させるようにしてください。

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④適正な価格設定をする

前述の通り、ドロップシッピングは大きな利益を出しにくい手法です。販売価格を上げればライバルに競り負け、価格を下げると得られる利益は少なくなってしまいます。

下げた価格を上げるのは難しいため、安易な値下げは×。うまく利益を上げるには、バランスの良い価格設定を目指しましょう。

⑤自社のコンセプトに沿ったサイト運営をする

ドロップシッピングを成功させるには、自社のコンセプトに沿ってサイト運営を行うことも重要です。取扱い商品やサイトデザインに一貫性のないECサイトは、コンセプトを曖昧にし、顧客を離脱させてしまいます。

集客・購買を増やすためには、コンセプトを的確に表現した洗練されたサイト作りが必要です。そのためには、まず自社ECのコンセプトやターゲットを明確に決め、それに合わせてデザインや商品選定、価格設定を行うと良いでしょう。

⑥人気商品以外のアイテムもラインナップする

人気商品だけをラインナップしていると、メーカー側の品切れによるリスクは高くなってしまいます。複数の商品が同時に品切れとなってしまえば、売上は大きく低下してしまうでしょう。
これを防ぐためには、人気商品以外の商品も取り扱うことが有効です。人気商品ほどは売れなくても、安定的に販売できる商品をラインナップすると良いでしょう。

⑦需要のない商品をすぐに入れ替える

需要のない商品は、すぐに入れ替えるようにしましょう。売れない商品や流行が過ぎた商品をいつまでも取り扱っていると、消費者から飽きられてしまう可能性があります。
商品の需要については、大手モールでの取扱数や検索数リサーチサイトをもとに判断すると良いでしょう。

⑧諦めずに継続する

ドロップシッピングに限らず、ECサイトの運用では、開設してすぐに成功するというケースは稀です。多くの事業者は、サイト開設後にさまざまな施策を通じて集客を増やし、トライアンドエラーを繰り返しながら、徐々に売上を上げていっています。
よって、EC運営ではすぐに諦めず、継続することが重要。すぐに結果が出ないからと焦らず、長い目で事業を軌道に乗せていく努力をしましょう。

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まとめ

ドロップシッピングは、在庫リスクを抱える必要がなく事業者側の業務負担を軽減できるECの販売手法です。

ただし、この手法には利益の出しにくさやライバルの多さなどのデメリットも。事業を成功させるためには、ドロップシッピングの特徴をよく理解した上で、効果的な集客施策や適切な価格設定、コンセプトに合った運営を行う必要があります
これらの業務をスムーズに進めるためには、計画書の作成などの事前準備も必要でしょう。

正しい理解と綿密な準備こそが、ドロップシッピング成功の鍵です。


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