AIを入れたのに、効果が見えてこない理由

この記事を書いたチーム:その他

※この記事は、noteで連載している「AIに、仕事の流れごと任せる」の第1回を転載したものです。元の記事はnoteでお読みいただけます。

株式会社Smallitで取締役をしている足立です。名古屋と東京で、システム開発の会社を経営しています。

今日から、ひとつ連載を始めてみようと思います。テーマは「AIに、仕事の流れごと任せる」です。

私たちの会社では、AIを前提にした開発の進め方を社内でつくり、少しずつ使い始めています。この連載では、その進め方を取締役の私が自分で順番に試してみて、感じたことをそのまま書いていきます。うまくいかなかったことも、正直に書くつもりです。

1回目は、試す前の「問い」から始めます。

AIは入れた。でも、効果が見えてこない

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経営や管理の立場にいると、こんなもどかしさを感じることはないでしょうか。

AIのアカウントは配った。現場からは「速くなった」という声も聞こえてくる。それなのに、会社の数字や仕事の進み方を見ると、何が変わったのかがはっきりしない。

これは、私たちだけの感覚ではないようです。PwC Japanが2026年に発表した調査では、日本企業の生成AIの活用・推進度は87%に達し、米国などと大きく見劣りしない水準になりました。一方で、期待を大きく上回る効果を出している企業の割合は、日本は9%。調査した6か国の中で最も低い結果でした(米国は38%)。

使っている会社は、もう十分に多い。それでも、効果をはっきり実感できている会社は1割に届いていません。

開発の世界でも、似た指摘があります。Gartnerのアナリストは、AIでコードを書く作業を効率化しても開発全体の時間はあまり変わらない、として「コーディングはボトルネックだったためしがない」と述べています。

私たちも、同じところにいました

正直に言うと、私たちの会社も最初は同じでした。

社員一人ひとりがAIを使い始めて、資料づくりや調べもの、コードを書く作業は確かに速くなりました。でも、経営の立場から見ると、会社としての仕事の進め方はほとんど変わっていませんでした。

いま振り返ると、理由はわりとはっきりしています。AIに頼んでいたのは、人が切り出した「作業」だったんです。

何がどこまで終わっていて、次に何をするのか。どこが抜けているのか。そうした仕事の流れは、相変わらず担当者の頭の中と、それぞれの管理資料の中にありました。

だから、速くなったのは作業だけでした。作業と作業をつなぐのも、できたものが正しいかを確かめるのも、人のまま。AIでつくる量が増えたぶん、確かめる側の負担は、かえって重くなっていったように思います。

変わり始めたのは、流れごと任せてから

私たちの仕事の進め方が目に見えて変わり始めたのは、AIに作業を1つずつ頼むのをやめて、仕事の流れそのものをAIに把握してもらうようにしてからでした。

どこまで進んだか、次に何をするか、どこで人の判断が要るか。それをAIが分かったうえで動いてくれて、人に声がかかるのは、人が決めるべきことがあるときだけ。人の仕事がなくなったわけではなく、「決めること」と「確かめること」に集中できるようになった、という感覚です。

とはいえ、私たち自身も、まだすべての仕事でそこまで来ているわけではありません。一部の業務で、ようやく手応えが出てきたところです。

そこでこの連載では、社内でつくったAI駆動開発の進め方を、開発の専門家ではない取締役の私が、自分で使ってみることにしました。過去に社内でつくったものをもう一度つくり直して、当時かかった工数とどれくらい違うのかも、最後に数字で確かめてみるつもりです。

最初の問い

AIは入れた。使う人も増えた。

それで、会社の数字や仕事の進め方は、何か変わりましたか。

次回は、AIの使い方を5つの段階に分けて、どこから先で効果が見え始めるのかを、私たちが実際に登ってきた順番に沿って書いてみます。


足立 高洋|株式会社Smallit 取締役
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