つくるのはAI、人は決めて確かめる。3段目の開発はこう動く

この記事を書いたチーム:その他

※この記事は、noteで連載している「AIに、仕事の流れごと任せる」の第3回を転載したものです。元の記事はnoteでお読みいただけます。

株式会社Smallitの足立です。連載「AIに、仕事の流れごと任せる」の3回目です。

前回は、AI活用を5つの段階に分けて、私たちの会社で効果がはっきり見え始めたのは3段目だった、という話を書きました。思うように進んでいなかった社内の開発チームが、仕事の流れごとAIに預ける進め方に変えてから、滞りなく回るようになった、という例です。

今回は、その3段目の開発が実際にどんな姿をしているのかを書きます。前回お約束したとおり、私たちのフレームワークの名前もここでご紹介します。

名前は「SMAL WAY」

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開発の計画から本番リリース、保守運用までをひとつの型にまとめた、当社独自のAI駆動開発のフレームワーク。私たちはこれを「SMAL WAY(スマルウェイ)」と呼んでいます。

考え方は、一文にまとめるとこうなります。

「つくるのはAI。人は決めて確かめる。」

手順書のように人が読んで従うものではなく、AIが自ら仕事を進められるように組み上げた仕組み一式です。私たちが自社の開発で悩みながら作り、今も使いながら直し続けているものです。

3つの役割で仕事を分ける

SMAL WAYでは、仕事をAI・人・機械の3つの役割に分けて考えます。

AIは、作業をします。資料をまとめ、案を出し、実装を回し、うまくいかないときは原因を調べます。

人は、決めて、確かめます。何をつくるかを考えて選び、動くものを見て「これでいい」と判断します。

機械は、判定します。テストや異常の検知を自動で回し、合っているかどうかを、人の目や感覚に頼らずに決めます。

ここで大事にしているのは、つくる役と確かめる役を分けることです。AIがつくったものを、同じAIが「できました」と言うだけでは、自分の答案を自分で採点するのと変わりません。合否は、誰が見ても同じ結果になる仕組みで決めます。この点は、連載の後半で詳しく書くつもりです。

AIが持つのは、コードだけではない

「AI駆動開発」と聞くと、AIにコードを書かせることを思い浮かべる方が多いと思います。正直に言うと、私たちも最初はそうでした。

でも、コードを書く作業が速くなっても、プロジェクトは思ったほど前に進みませんでした。タスクを起こす、止まっている仕事や期限切れに気づく、会議で決まった宿題を拾う、決めたことを記録に残す。こうした仕事は、相変わらず人の頭と管理資料の中にあったからです。開発の担当者にとっては本来の仕事ではなく、どうしても後回しになりがちな部分でもあります。

3段目では、こうした面倒な管理もAIが持ちます。会議の記録ができれば、頼まなくてもタスクが立つ。1つ終われば、次の仕事が起こされる。止まっている仕事や期限切れがあれば、AIのほうから知らせてくる。

つまりSMAL WAYは、使う人が使いたいときに使う「道具」ではありません。チームの仕事が通る「道」そのものです。

開発の流れで見ると

SMAL WAYでは、開発を5つの工程でつないでいます。

計画では、人が決めたことを、AIが計画に落とします。設計では、AIが案を書き、人が合意します。実装では、AIが工程を自分で進め、人は動作を確かめ、機械が自動でテストします。運用では、機械が異常を見つけ、AIが原因を調べ、人がどうするかを決めます。そして最後に、進め方そのものを見直します。AIがうまくいかなかった原因を分析し、人が直す内容を決めて、次の仕事に戻します。

どの工程でも、人の出番は「決める」と「確かめる」です。そして、いちばん時間をかけるのは、つくる前の決めごとになります。何をつくるかを先に決めきるからこそ、そのあとをAIに任せられる、という考え方です。

人の仕事は、なくならない

こう書くと、「では人は要らなくなるのか」と思われるかもしれません。私はそうは考えていません。

人の仕事はなくならず、変わります。何をつくるかを決める。業務として本当に正しいかを確かめる。最後にOKを出す。どれも、人にしかできない仕事です。

前回のチームでも、人が呼ばれなくなったわけではありません。声がかかるのは、人が決めるべきことがあるときです。しかも、決めるための材料はそろった状態で。メンバーが迷わず自分の仕事に集中できるようになったのは、このためだと感じています。

本当に、そうなるのか

ここまで書いておいて何ですが、資料を読んだだけでは「本当にそこまで任せられるのか」と思う方も多いはずです。開発の現場をよく知っている方ほど、そう感じるのではないでしょうか。

実は、取締役の私も、このフレームワークで自分の手を動かしたことはまだありません。だからこそ、次回からは自分で試します。お客様に勧める前に、まず自社で、それも経営側の人間が自分でやってみる。何をつくり、何と比べて確かめるのかを、次回書きます。

今回の問い

皆さんの現場では、AIに任せているのは「作業」だけでしょうか。それとも、仕事の流れまで任せているでしょうか。

タスクや進み具合、決めたことの記録。今それを持っているのは、人ですか、AIですか。


足立 高洋|株式会社Smallit 取締役
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