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現代ビジネスでは、従来のように勘や経験に頼るのではなく、データを重視するようになりました。データドリブンな経営は、業務活動を効率的にします。
ただしそのためには、データを蓄積・運用するデータベースが必要です。そのひとつとして、大企業をはじめとした多くの企業で用いられているのが、リレーショナルデータベース(RDB)。
今回は、RDBとはどのようなものなのか詳しく解説します。
リレーショナルデータベースとは
リレーショナルデータベースとは、データベースの管理手法のひとつ。Relational Databaseを略してRDBとも呼ばれます。
この手法は、データを複数の表の形で管理する点が特徴。その上で、表同士を関連付けし、複雑なデータの取り扱いを可能にします。
例えば、RDBで「顧客の属性」と「顧客の注文履歴」をそれぞれ表で管理していたとします。
「20代の顧客はどんな商品を注文しているか」知りたい時には、前述の2つの表からそのデータを抽出することができます。
このように、RDBは求めるデータを取り出しやすいため、多くの企業で利用されています。
ただし、データを取り出す際には、RDBMSを使用する必要があります。
リレーショナルデータベースの特徴
データを表形式で管理するRDBには、以下の3つの特徴があります。
②高度なデータ処理を実現
③データに一貫性がある
まず、RDBを操作するには、RDBMSというシステムが必要です。RDBとRDBMSはセットだと考えると良いでしょう。
これは専用の管理システムで、具体的な製品としては「MySQL」や「Oracle」などがよく知られています。
また、高度なデータ処理ができたりデータの一貫性が維持されたりするのも特徴のひとつ。RDBは複雑な集計や検索に対応し、さらに常にデータの整合性を保ちます。データが欠落したり重複したり、また古いデータが表示されるようなことはなく、ユーザーは円滑にデータ蓄積・活用を行えます。
RDBのメリット
多くの企業で利用されているRDB。その理由は、RDBに期待できる複数のメリットにあります。
その主要なメリットを挙げてみましょう。
・データの高い品質維持
・低コストでのデータ処理
・定義なしのアプリケーション開発が可能
それぞれ詳しく見ていきましょう。
SQLによる高度なデータ操作
データベースの操作に用いる専用言語に「SQL」というものがあります。この言語は国際標準として規格化されているもの。これを利用すれば、登録・取得・削除と一連のデータ処理を実行することが可能です。
また、SQLは複雑な条件設定を加えた処理にも対応するため、これをRDBで使用することで、高度なデータ操作が叶います。
データの高い品質維持
データを、欠落や重複のない整合性のある状態にすることを、「正規化」と呼びます。一貫性をもってデータ運用を行うRDBでは、データを正規化し、常にその品質を維持することが可能です。
他のデータベース手法のように、データ内容に矛盾が生じることがないため、正確で効率的な運用・管理ができる点は、RDBの大きなメリットです。
低コストでのデータ処理
コストを抑えながらの運用ができる点も、RDBのメリットのひとつです。
この手法では、一旦システムが完成した後には、テーブルの追加によってその内容を充実させていくことができます。この時、テーブルの追加にはさほど費用はかかりません。
そのため、追加コストを抑えながら柔軟にデータを運用することができます。
定義なしのアプリケーション開発が可能
通常、アプリケーション開発に着手する際には、定義が必要です。
ただし、RDBを利用したアプリケーション開発では、この定義は不要です。なぜなら、RDBMSを通じて、RDB内のデータにアクセスするためです。
これにより、一件分のデータ構造を定義する必要はなく、ユーザーはデータの構造を気にせずにアプリケーション開発を進められます。
RDBのデメリット
メリットがある一方で、RDBにはデメリットもあります。それが、次の3点です。
・データベースを拡張しづらい
・対応できるデータが限定される
メリットだけでなく、デメリットについても把握しておかなければ、適切な運用は行えません。
ここからは各デメリットについて詳しくご説明します。
処理速度が遅くなる可能性がある
前述のとおり、RDBは複雑で高度なデータ処理を実現します。
しかし、その一方で、膨大な量のデータを扱う際には、その速度が遅くなり、処理に時間を要することがあります。データ量だけでなく、処理の複雑さにも、処理スピードは影響を受けます。
常に早いスピードでデータ処理を行えるわけではない点は、デメリットだと言えるでしょう。
データベースを拡張しづらい
データベース拡張のハードルが高い点は、RDBの運用で注意したい点のひとつです。
RDBにおいて、データベースの拡張を行うのは、簡単ではありません。設計上、サーバを増やしたりクラウドサービスを利用したりして拡張を行うための作業は複雑であり、それを実行するためには高い専門知識・技術を持った人材と費用が必要になります。
対応できるデータが限定される
RDBで対応できるデータは限定されます。対応可能なのは、テキストデータのみ。画像や動画、音声などのデータを取り扱うことはできません。このようなデータは、表形式で扱うことが困難だからです。
画像や動画データを扱うことも多い現代において、テキストデータしか処理できないという点は、RDBの短所にあたります。
RDBとNoSQLの違い
最後に、RDBとNoSQLの違いについてご説明します。
NoSQLとは、「Not Only SQL」の略で、RDB以外のデータベース全般を指す言葉。RDBよりもビッグデータの処理に適していることから、近年注目されています。
これらの違いを一覧で確認してみましょう。
- 【RDB】
- ・データ構造・・・表形式
・処理速度・・・膨大なデータや複雑な処理の場合、遅くなる
・一貫性・・・有り
・拡張性・・・低い
・分散性・・・原則1台のサーバで管理
・検索精度・・・高い - 【NoSQL】
- ・データ構造・・・多様な形式
・処理速度・・・膨大なデータでも早い
・一貫性・・・誤ったデータは出さない
・拡張性・・・高い
・分散性・・・サーバの水平分散が可能
・検索精度・・・低い場合もある
このように、RDBとNoSQLは特徴が大きく異なります。前者はテキストデータの高度な処理を必要とする場合に、後者は大量のデータやテキスト以外のデータを扱いたい場合に適しています。
つまり、扱いたいデータによって、用いるべきデータベースの手法も異なるのです。
まとめ
リレーショナルデータベース(RDB)は、表形式でデータを管理するデータベース管理手法です。表同士を関連付けて保存するこの手法は、正確で高度なデータ処理を実現します。これを利用することにより、ユーザーは効率的で柔軟なデータ活用を実現することができます。
ただし、RDBでは処理速度や拡張性、扱えるデータなどに懸念点もあります。
RDB導入にあたっては、メリット・デメリットを自社のデータ処理の特性と比較しながら、慎重に検討するようにしてください。