GmailやSalesforce、ChatWorkなど、業務に複数のSaaSを利用している方は多いでしょう。これらのシステムの利用は、現代ビジネスに欠かせません。

しかし、多様なSaaSが登場し企業がそれを導入する中で、利用するシステムが複数になり、システムごとにデータが分散してしまうという課題が発生しています。この状態は、業務効率低下に繋がりかねません。

そこで活用したいのが、iPaaSです。
iPaaSは複数システム利用によるデータ分散を解消し、業務の自動化を促進します。

今回は、iPaaSについて詳しく解説します。

iPaaSとは

iPaaS(アイパース)は、複数のシステムを統合するクラウドサービスです。Integration Platform as a Serviceを略してこのように呼ばれています。

iPaaSでは、次のようなことが可能になります。

・API※による複数システムの連携(システム連携)
・システム間のデータをリアルタイムに同期する(データ統合)
・システム間のビジネスフローを繋ぐ(自動化)

SaaSやオンプレミスで、さまざまなサービスやアプリケーションなどのシステムを業務利用している企業は多いですが、複数のシステム利用にあたっては、データが分散してしまう点に課題があります。
しかし、iPaaSを利用すれば、これらのシステムを連携し、システムごとに管理されているデータを統合させることが可能です。システムやデータが統合されることで、業務の効率化や自動化が実現しやすくなります。

※APIとは
システムを繋ぐインターフェース(接点)のこと。Application Programming Interfaceの略。

iPaaS・SaaS・PaaS・IaaSの違い

iPaaSと比較される対象として、SaaS・PaaS・IaaSという言葉があります。これらは全てクラウドサービスを指す言葉ですが、その内容は異なります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

SaaS

SaaS(サース)は、ソフトウェア機能を提供するクラウドサービスで、Software as a Serviceを略してこのように呼ばれています。SaaSには多様な機能を持つものが登場しており、ビジネスに欠かせないものとなっています。

特にビジネスでよく用いられているGoogle WorkspaceやMicrosoft Office365、LINE WORKS、Zoomなどは、全てSaaSにあたります。

PaaS

PaaS(パース)は、システム開発の基盤となるOSやミドルウェアなどのプラットフォームを提供するクラウドサービスで、Platform as a Serviceを略してこのように呼ばれています。環境構築の手間がなく、手軽にシステムを構築できる点がPaaSの特徴です。

Microsoft AzureやAWSが代表的なPaaSとして知られています。

IaaS

IaaS(イアース)は、サーバーやストレージ、ネットワークなどの通信インフラを提供するクラウドサービスで、Infrastructure as a Serviceを略してこのように呼ばれています。IaaSを活用すれば、インフラ整備にかかる手間やコストを削減することができ、尚且つ自由度の高い環境構築も可能になります。

代表的なIaaSには、EC2 (Amazon Elastic Compute Cloud)やGCE(Google Compute Engine)があります。

iPaaS・SaaS・PaaS・IaaSの違いは提供するサービス

iPaaS・SaaS・PaaS・IaaSはどれもクラウドサービスであるという点で共通していますが、サービスとして提供するものに違いがあります。

iPaaS・・・業務システムの統合技術を提供
SaaS・・・ソフトウェア(アプリケーション)を提供
PaaS・・・システム開発プラットフォームを提供
IaaS・・・ITインフラを提供

目的によって何を導入すべきかは異なるので、それぞれの言葉の意味を正しく理解した上で、目的に合ったサービスを選定するようにしてください。

iPaaSとRPAの違い

iPaaSは業務の自動化を助けるサービスですが、同じく業務自動化に効果的な技術に、RPAというものがあります。

RPAとは

RPAは、Robotic Process Automatiの略で、ソフトウェアロボットによって業務を自動化する技術を指します。反復的な定型作業の自動化に向いていて、ロボットによっては複雑な意思決定を担うことも可能です。
RPAの導入によって、企業は業務効率化や人件費の削減といったメリットを享受できることから、多くの企業でRPAの導入が進んでいます。

iPaaSとRPAの違いは

iPaaSもRPAも業務自動化を実現する技術です。
ただし、業務自動化を実現する方法は異なります。

iPaaS・・・システムやデータの統合により業務自動化を目指す
RPA・・・ロボットによる代行作業により業務自動化を目指す

これらは異なる技術であり、業務自動化に対するアプローチも異なります。そのため、それぞれに搭載されている機能にも違いがあります。

どんな課題を解決したいかによって、iPaaSを導入すべきかRPAを導入すべきかは変わります。データ分散による非効率化を課題とするならiPaaSを、反復的な定型業務によるコア業務圧迫を課題とするからRPAを導入すべきでしょう。

iPaaSの利用メリット

ご紹介してきたように、iPaaSは複数のシステムを連携し、データを統合させることができるサービスです。このサービスを利用することにより、企業には次のようなメリットが発生します。

業務効率化

iPaaSの利用で、システムやデータはシームレスに繋がるようになります。データはリアルタイムで更新され、自動化されるプロセスも増えるでしょう。
これにより業務は効率化され、従業員はコア業務に集中できるようになります。

データ分析の精度向上

iPaaSで複数のシステムを連携させデータを繋げば、活用できるデータは増え、データ分析の精度が向上します。旧型システムの連携にも対応するツールが多いので、過去のデータを有効に活用することも可能です。

また、部署を超えた情報共有も可能になるため、それぞれの部署からのデータ分析も行いやすくなるでしょう。

iPaaSの利用デメリット

iPaaSの利用には、デメリットもあります。
それが、「APIが公開されていないシステムは連携できない」という点です。

iPaaSはAPIを用いてシステム間の連携を行うため、これが公開されていないシステムには対応できません。
また、APIが公開されていても、システム間の連携がうまくいかない組み合わせも存在するので注意が必要です。

iPaaSの活用事例

iPaaSの活用により業務効率化に成功した事例を2つご紹介します。

株式会社メルカリの事例

フリマアプリを運用する株式会社メルカリでは、iPaaSツールであるZapierを導入しています。
日々のルーティン業務に利用する複数のシステムをZapierで連携することで、会議のSlack通知や業務の当番通知、翻訳botなどの自動化を実現し、業務効率化に成功しました。
今後もZapierを用いた効率化を進めるべく、現在では自動化担当者を各部署に配置することを検討しています。
(参考:https://seleck.cc/1230

株式会社アイエスエフネットの事例

ITインフラを提供する株式会社アイエスエフネットは、以前からRPAによる業務自動化を積極的に進めてきました。しかし、RPAだけでは全社的な業務を自動化できず、専門知識を要するアプリケーションの連携にも苦戦するという課題を抱えていました。
そこで、iPaaSツールであるWorkatoを導入。アプリケーションを連携させることにより、業務自動化・業務効率化を推進し、年間150時間もの工数削減に成功しました。
今後は社内でのWorkatoの使い方のレクチャーに力を入れていくとしています。
(参考:https://www.ricksoft.jp/case-studies/isfnet.html

まとめ

SaaSを中心に、複数のシステムを日常的に利用するようになった昨今のビジネスにおいて、システム間の連携やデータの統合は重要な課題のひとつです。システム連携やデータ統合がシームレスになれば、業務の自動化は進み、業務効率も格段に上がります。

この課題を解決するサービスが、iPaaSです。iPaaSツールはさまざまな会社からリリースされており、それぞれ機能や操作性は異なります。導入するツール選定は、自社のニーズに合わせ慎重に進めるようにしましょう。


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