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近年IoT(アイオーティー)の普及は目を見張る速さで進んでいます。
ニュースやCMでIoTという言葉を聞いたり、IoTを活用した製品を実際に使用したりしている方は多いのではないでしょうか。
IoTは、身近な場所から専門的分野まで、さまざまな場面で活用されています。中には、ユニークな用途に活用されている例もあり、IoTには幅広い可能性があると言えるでしょう。
そこで今回は、IoTに着目し、その活用事例をご紹介します。
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IoTとは
まずは、IoTとはどんなものなのか、IoTによってどんなことが可能になるのかを解説していきます。
IoTはモノのインターネット
IoTとは、「Internet of Things」を略したもので、「モノのインターネット」と直訳されます。これは、モノがインターネットに接続され、情報交換を行う仕組みを指す言葉です。
例えば、車や住宅、家電などは、IoTの一例です。
従来インターネットに接続されていなかったこれらのモノは、近年それぞれがインターネットに接続され、より便利に利用できるように進化してきました。
また、これらのモノを快適に利用するためのツールとして、スマホやタブレットといったデバイスは、その重要性を増しています。
IoTで実現できること
IoTを搭載したモノ同士は、離れた場所からでも相互に通信を行い、状態や動き、位置情報などを特定することができます。これにより、「モノの状態・動作管理」や「モノの遠隔操作」、「莫大なデータの蓄積」が可能になります。
詳しく見ていきましょう。
①モノの状態・動作管理
モノに搭載されているセンサーによって、温度や湿度、位置情報、動き、音などといったモノの状態や動きのデータを取得し、そのデータを手元のデバイスに送ることができます。これにより、スマホやタブレットを用いて、モノの状態を遠隔管理することが可能になります。
②モノの遠隔操作
モノがインターネットに繋がっていれば、同じくインターネットに繋がったスマホやタブレット、パソコンなどを用いて、離れた場所にあるモノを遠隔操作することができます。モノに搭載されたセンサーを活用し、センサーの反応と設定に応じて、自動でモノを動かすことも可能です。
③莫大なデータの蓄積
モノが得たデータはインターネットを通じ、クラウドに蓄積されていきます。さまざまなモノが収集したデータはビッグデータとして、精度の高い分析やあらゆる問題解決に役立てられます。
家庭での身近なIoT活用事例
IoTは、一般家庭でも普及しています。身近な事例を2つ挙げてみましょう。
スマートエアコン
身近なIoT例としてまずご紹介したいのが、スマートエアコン。
IoT搭載のスマートエアコンなら、以下のようなことが可能になります。
・スマホやタブレットからエアコンを操作
・外出先からの操作も可能
・データ学習による快適化、省エネ
・電力データを可視化 など
IoT搭載エアコンでは、専用リモコンがなくても、スマホやタブレットなどのデバイスからエアコンを操作できます。
そのため、自宅のどこにいても、また外出先にいても、エアコンを操作することが可能。帰宅時に部屋を快適な温度にしておいたり、消し忘れたエアコンを外出先から消したりと、柔軟なエアコン操作が叶います。
IoT搭載エアコンは各社からリリースされており、機能も様々。中には天気予報に合わせ室温を調整タイプも存在します。
スマートロック
スマートロックは、玄関扉に取り付けるIoT機器のひとつ。スマートロックを取り付けた扉は、スマホで管理できるようになります。
具体的には、スマートロックで以下のようなことが可能になります。
・スマホ操作での鍵の開け閉め
・ハンズフリー(スマホを近づけるだけ)で鍵の開け閉めが可能
・鍵の開閉履歴を可視化
・オートロック機能 など
スマートロックを利用すれば、鍵による扉の開閉の手間を省くことができ、さらにセキュリティも高めることができます。
このスマートロックもさまざまなメーカーから販売されていて、アイテムによって機能やデザイン、取り付け方法は異なります。
その他のIoTを活用した家庭用製品一覧
上記の「スマートエアコン」「スマートロック」以外にも、IoTを活用した家庭用製品は多くあります。下記の表で、その一覧を一気に見てみましょう。
種類 | できること・特徴 |
冷蔵庫 | 食材の保管期限を管理してくれる機能があり、棚に取り付けたカメラで中の食材を認識して在庫管理や賞味期限の確認を行える。 |
照明 | スマホや音声で操作でき、自動で明るさを調整する機能や、光の色温度を変更する機能がある。 |
リモコン | スマホから操作できるものや、音声アシスタントとの連携が可能なものがある。連携により、家中のリモコンすべてを1つにまとめることもできる。 |
掃除機 | ルンバに代表される自動ロボット掃除機は、スマホから操作や予約ができるほか、家の間取りを学習して掃除する範囲を最適化する機能もある。 |
調理家電 | スマホから操作ができ、レシピに沿って材料を投入したり、調理の進捗状況を確認したりできる。 |
洗濯機 | スマホからの操作で帰宅時合わせて洗濯が終わるような予約や、洗濯の進捗状況を確認、洗剤の残量を自動で計測してお知らせする機能がある。 |
面白いIoT活用事例
ユニークなアイディアにより、IoTはますます生活を便利なものにしています。ここではIoTのユニークな活用事例を2つご紹介しましょう。
IoT電池「MaBeee(マビー)」
出典:MaBeee
MaBeeeは、単三電池で動作するおもちゃをIoT機器に変身させる製品。単三電池で動作する製品に装着することで、スマホを用いて遠隔操作が可能になります。
・スマホとの連携で遠隔操作
・運転、停止、スピード調整など、既製品にはない操作が可能
・Scratchというプログラミングツールとの連携で自由に操作を定義
Mabeeを使えば、既製品のおもちゃが自分だけの専用おもちゃに。機能を楽しむだけでなく、プログラミングも同時に学ぶことができる一石二鳥の製品です。
紛失防止タグ「MAMORIO」
出典:mamorio
MAMORIOは、大切な物を無くさないためのIoTタグ。財布や鍵につけておけば、以下のような機能で紛失を防止できます。
・スマホに置き忘れの通知
・持ち物の移動履歴を可視化
・MAMORIOスポットやユーザーが、失くした物の位置を検知
・カメラを使って部屋の中から物を検知
最小のモデルは縦35.5mm×横19mm×厚さ3.5mmという小ささで、たった3gと軽量。邪魔にならないので、財布に入れたり鍵につけたりして持ち歩くことができます。
スマート菜園「foop」
出典:foop
foopは、スマホから野菜の水耕栽培を楽しめるインテリアアイテム。
コンパクトなボックスの中で育つ野菜を、センサーがモニタリングし適切な環境を整備。状況はスマホやボックスに設置されたアイコンモニターから確認することができます。
・センサーによって光や温度、湿度を自動管理
・野菜の状態はアプリからチェック
・手入れや食べ頃のタイミングはスマホに通知
IoTを用いれば、野菜の栽培はぐっと楽に。その時に必要な手入れがわかるので、家庭菜園に失敗した経験がある方も安心です。
分野別のIoT活用事例
IoTは、社会を支えるあらゆる専門分野でも活用されています。その具体的な活用事例を、分野ごとに見ていきましょう。
製造業
IoTの先駆け!トヨタ自動車の「カンバン方式」
カンバン方式とは、カンバン(指示書)を工程ごとに回していくことにより、「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」作ることを可能にした、トヨタ自動車発の生産管理方法。
現在ではカンバンをIT化し、これは、製造業におけるIoTの先駆けとして知られています。
さらに、工場の機器にセンサーを取り付けることで効率的なデータ収集を可能にするなど、トヨタ自動車ではIoTを積極的に取り入れています。
物流
クロネコヤマトの「ロボネコヤマト」
物流大手のクロネコヤマトとDeNAが開発した「ロボネコヤマト」は、IoT技術を用いた宅配サービス。自動運転の車両を使い、荷物を配達します。
「ロボネコヤマト」では、到着した車から利用者が自らスマホを使って荷物を取り出し、ドライバーは荷物の受け渡しを行わない配達方法で、10分刻みの時間指定を可能にしました。実験では、この方法によって再配達が減少。
現在実用化はされていないようですが、IoTを用いた画期的な取り組みだと話題になりました。
医療・ヘルスケア
適切な歯磨きをサポートする「G・U・M PLAY」
SUNSTARの「G・U・M PLAY」は、歯ブラシに取り付けるだけのIoTアイテム。搭載されているセンサーが歯磨きの状況を感知し、アプリを通して歯磨き方法の改善を提案します。
シンプルなデザインで普段は歯ブラシスタンドとして使える、ヘルスケアIoTツールです。
農業
農業を効率化するヤンマーの「スマートアシスト」
ヤンマーでは、農業機器とIoTを組み合わせることで、農業の問題を解決する「スマートアシスト」をリリース。農業機器に取り付けたセンサーによって、機器を24時間管理したり稼働状況を可視化したりすることで、農業の効率化を可能にしました。
「スマートアシスト」では収穫量や作業状況の集計・分析もできるので、業務改善にも役立ちます。
交通
ドライバーの疲労度を計測し事故を防ぐSAP× NTTの「hitoe®︎」
出典:hitoe®︎
ITソリューションを手掛けるSAPとNTTグループは、着用するだけで生体情報を取得できる機能素材「hitoe®」を用い、交通をより安全で効率的にするソリューションを開発。
「hitoe®」を着用したドライバーのリアルタイムな生態情報から疲労度を分析したり、挙動収集分析アプリケーションから運転挙動のデータを分析したりすることで、事故の未然防止や効率的な車両運行をサポートする取り組みを行っています。
まとめ
ご紹介したように、IoTは今現在もさまざまな場面で活用され、私たちの生活をより便利なものにしています。
これからIoTの活用の場は増え、さらに多様なモノがインターネットを通して繋がっていくでしょう。そしてそれに伴い、新たなサービスも生まれていくと考えられます。
また、IoTは、人手不足解消やコストカットといった点で、ビジネスの効率化にも有効です。
事業経営においても、今後IoTの重要性は増していくでしょう。
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