こんにちは。新規事業の開発や既存業務の効率化などに使える補助金・助成金の無料診断 / 申請支援を行う『補助金サポート』を提供しているクラウド軍師運営チームです。
企業のDXを推進するため、国は補助金制度を整備しています。そのひとつが、IT導入補助金。
この制度は企業のITツール導入にかかる費用の一部を補助するもので、本年2022年にも多数の企業に対して補助金の交付が行われました。
ただし、この制度ではすべての企業が補助金を受け取れるわけではありません。中には、申請したものの交付を受けられなかった企業も存在します。
そこで今回はIT導入補助金の採択率を確認した上で、交付の確立を上げるためのポイントをご紹介します。
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2022年度IT導入補助金の概要
IT導入補助金とは、中小企業または小規模事業者のITツール活用をサポートする補助金です。この制度では、ITツール導入にあたって発生する一部の費用を国から補助してもらうことができます。
ITツールの導入促進により、中小企業や小規模事業者の業務効率化および売上向上、経営力の強化を図ることが、その目的です。
IT導入補助金には、従来は通常枠(A・B類型)のみ設定されていました。しかし近年では、「デジタル化基盤導入枠」や「セキュリティ対策推進枠」も追加され、内容はより充実したものになっています。
2022年のIT導入補助金の概要は、次の通りです。
・通常枠A・B類型:2022年3月31日(木)~2022年12月22日(木)
・デジタル化基盤導入枠:2022年3月31日(木)~2023年2月16日(木)
・セキュリティ対策推進枠:2022年8月9日(火)~2023年2月16日(木)
【補助対象者】
中小企業、小規模事業者(事業の種類によって資本金や従業員人数等の規定有り)
【補償対象経費】
ソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費、ハードウェア購入費(デジタル化基盤導入枠のみ)※対象はIT導入補助金Webサイトで公開するITツールのみ
【補助額(補助率)】
・通常枠A類型:30万円~150万円未満(2分の1以内)
・通常枠B類型:150万円~450万円以下(2分の1以内)
・デジタル化基盤導入枠デジタル化基盤導入類型:5万円~350万円以下(4分の3または3分の2以内)
・セキュリティ対策推進枠:5万円超~100万円(2分の1以内)
枠によって補助額や補助率が変わるのが、この制度の特徴です。
また上記申請期間の中で、通常枠A・B類型は9次まで、デジタル化基盤導入枠は19次まで、セキュリティ対策推進枠は7次までと、細かく締切が設けられ、交付決定は締切から1ヶ月程度で通知される仕組みになっています。
2023年度最新のIT導入補助金の概要、申請フローやその他のIT補助金について、下記の記事にまとめています。より詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
参考:ECサイト構築に使えるIT導入補助金を詳しく解説:その他のIT補助金も紹介
2022年度IT導入補助金の採択率・採択結果
ここからは、各補助金(通常枠A・Bとデジタル化基盤導入枠)における採択率と採択結果を、公式サイトが発表している12月6日時点のデータを基に見ていきましょう。
【通常枠(A・B類型)の場合】
A類型 | B類型 | ||
通常枠(A・B類型)1次締切 | 申請数 | 2,907 | 80 |
交付決定数 | 1,615 | 33 | |
採択率 | 55.5% | 41.2% | |
通常枠(A・B類型)2次締切 | 申請数 | 3,344 | 103 |
交付決定数 | 1,843 | 44 | |
採択率 | 55.1% | 42.7% | |
通常枠(A・B類型)3次締切 | 申請数 | 2,877 | 104 |
交付決定数 | 1,415 | 43 | |
採択率 | 49.1% | 41.3% | |
通常枠(A・B類型)4次締切 | 申請数 | 3,347 | 107 |
交付決定数 | 1,465 | 48 | |
採択率 | 43.7% | 44.8% | |
通常枠(A・B類型)5次締切 | 申請数 | 1,957 | 43 |
交付決定数 | 1,196 | 26 | |
採択率 | 61.1% | 60.4% | |
通常枠(A・B類型)6次締切 | 申請数 | 2,337 | 64 |
交付決定数 | 1,521 | 38 | |
採択率 | 65.0% | 59.3% | |
通常枠(A・B類型)7次締切 | 申請数 | 1,909 | 45 |
交付決定数 | 1,336 | 28 | |
採択率 | 69.9% | 62.2% |
上記結果をもとに各回の採択率を平均すると、A類型の場合は約57%、B類型の場合は約50%となります。
【デジタル化基盤導入枠の場合】
デジタル化基盤導入枠1次締切 | 申請数 | 650 |
交付決定数 | 566 | |
採択率 | 87.0% | |
デジタル化基盤導入枠2次締切 | 申請数 | 1,662 |
交付決定数 | 1,467 | |
採択率 | 88.2% | |
デジタル化基盤導入枠3次締切 | 申請数 | 1,823 |
交付決定数 | 1,562 | |
採択率 | 85.6% | |
デジタル化基盤導入枠4次締切 | 申請数 | 2,131 |
交付決定数 | 1,855 | |
採択率 | 87.0% | |
デジタル化基盤導入枠5次締切 | 申請数 | 1,712 |
交付決定数 | 1,422 | |
採択率 | 83.0% | |
デジタル化基盤導入枠6次締切 | 申請数 | 1,944 |
交付決定数 | 1,601 | |
採択率 | 82.3% | |
デジタル化基盤導入枠7次締切 | 申請数 | 2,149 |
交付決定数 | 1,759 | |
採択率 | 81.8% | |
デジタル化基盤導入枠8次締切 | 申請数 | 3,075 |
交付決定数 | 2,648 | |
採択率 | 86.1% | |
デジタル化基盤導入枠9次締切 | 申請数 | 1,390 |
交付決定数 | 1,092 | |
採択率 | 78.5% | |
デジタル化基盤導入枠10次締切 | 申請数 | 1,666 |
交付決定数 | 1,299 | |
採択率 | 77.9% | |
デジタル化基盤導入枠11次締切 | 申請数 | 2,051 |
交付決定数 | 1,635 | |
採択率 | 79.7% | |
デジタル化基盤導入枠12次締切 | 申請数 | 1,832 |
交付決定数 | 1,503 | |
採択率 | 82.0% | |
デジタル化基盤導入枠13次締切 | 申請数 | 2,012 |
交付決定数 | 1,577 | |
採択率 | 78.3% | |
デジタル化基盤導入枠14次締切 | 申請数 | 2,239 |
交付決定数 | 1,812 | |
採択率 | 80.9 |
上記結果をもとに14次までの採択率を平均すると、約82%となります。この採択率は一般枠より高いものの、全体の2割近くの申請が採択されていないことになります。
不採択となる理由
前章の表からも分かるように、補助金の採択率は、通常枠で50%程度、デジタル化基盤導入枠で80%程度です。この数字からは、補助金申請を行なっても不採択となるケースも少なくはないことがわかります。
不採択になる理由としては、次のようなものが考えられます。
・申請したツールが補助対象外である
・申請内容から補助の必要性が感じられない
まず多いのが、書類の不備。補助金申請には複数の書類の提出が必要ですが、これに不備があると、採択はされません。記入漏れや記入ミスには、くれぐれも注意するようにしましょう。
また、申請したITツールが補助の対象外であるケースも見られます。具体的な補助対象については、2022年IT導入補助金の公式サイトに記載されているので、よく確認しておくようにしてください。
さらに、申請内容も審査の対象となります。経営改善や売上向上、業務効率化などに取り組む意志が感じられず、補助金は不要だと判断された企業は、不採択となってしまいます。
書類では、自社の現状を偽りなく提示しながら、より良い経営のための意志を伝えることも大切です。
IT導入補助金の採択率を上げるポイント
最後に、IT導入補助金の採択率を上げるためのポイントをご紹介します。これらは傾向を基にしたものなので、あくまで参考としてお役立てください。
インボイス制度への取り組み
IT導入補助金の審査項目には、インボイス制度への取り組みを問うものがあります。この補助金は、インボイス制度への対応をひとつの目的としているため、制度に対応するためのITツール導入であれば、採択される可能性は高くなります。
逆にインボイス制度に対応するツールを導入済みである場合、補助金の必要性は低いと判断されるかもしれません。
経営改善への意識
経営改善を強く意識し、それに対する具体的な案を持っているかどうかも、採択のポイントになります。国は、業務効率化や売上向上、賃上げなど、より良い経営を目指したビジョンを持っている企業に対して補助を行いたいと考えているためです。
経営やその施策の質問について「わからない」「今後の予定もない」などといったマイナスな返答は避けた方が良いでしょう。
まとめ
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者のITツール導入、およびDX推進を助ける有益な制度です。ただし、100%の確率で受け取れる補助金ではない点には、注意しておかなければなりません。
交付の可否は、申請時に提出する書類の内容に大きな影響を受けます。自社の現状について嘘を述べる必要はありませんが、制度の目的を把握した上で、経営改善に向けた前向きな意志を伝える内容を意識すると良いでしょう。
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