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世界では、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいます。
日本でも、国を挙げてDXを推進していますが、その進行状況は順調とは言えません。このままDXが進まなければ、日本では2025年以降大きな経済損失が生じるとも言われています。いわゆる、「2025年の崖」です。
このような問題を回避し、企業のDXを後押しするため、国は2020年から「DX認定制度」を開始しました。
DX認定制度は、企業にとって大きなメリットとなる可能性のある制度です。
今回は、このDX認定制度について詳しく解説していきます。
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DX認定制度とは
DX認定制度とは、国が策定した指針を踏まえ、DX推進のための優良な取り組みを行う企業を認定するための制度のことです。
この認定制度は、2020年5月15日施行の「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」に基づいたもので、企業の戦略的なシステム利用によるDX推進を後押しするために策定されました。
DX認定制度の認定を受けるためには、企業は経済産業省の策定した「デジタルガバナンス・コード」の基本事項に対応しなければなりません。
「デジタルガバナンス・コード」とは、DXを推進する中で経営者に求められる、企業価値向上のために行うべき事柄のこと。具体的な指針については、経済産業省資料『デジタルガバナンス・コード』に詳しく示されています。
DX認定制度の認定審査事務は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が担っています。
DX認定制度の対象
DX認定制度の対象となるのは、すべての事業者です。法人であっても、個人事業主であっても、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、DX推進のための優良な取り組みをしていれば、認定の対象になります。
実際にDX認定された認定事業者については、経済産業省のホームページで公開されており、大企業はもちろん、個人事業主も名を連ねています。
DX認定を取得すればDX銘柄に選ばれる可能性も
DX認定を取得した国内上場企業は、DX銘柄に選定される可能性があります。
DX銘柄とは、東京証券取引所に上場している企業のうち、DX推進への優れた取り組みを行う企業を認定したもの。一業種につき、1〜2社選ばれるとされています。
DX銘柄に選ばれるには、まずDX認定を取得し、その後アンケートスコアや評価委員会による評価で、一定の基準をクリアしなければなりません。
このような選定を受け、DX銘柄に選ばれた企業は、市場で注目を集め、企業価値を高めることができます。
DX認定制度のメリット
DX認定制度は、国のDX推進政策にとってだけでなく、企業にとっても複数のメリットをもたらします。
ここからは、DX認定制度に企業が期待できる3つのメリットについてご紹介します。
企業価値の向上
DX認定制度における企業の大きなメリットは、企業価値の向上が期待できることでしょう。
DX認定を受けた企業の名前は、「DX推進ポータル」で公表されます。さらにDX銘柄になった企業であれば、経済産業省ホームページをはじめとしたさまざまなメディアで発表されるでしょう。
こうして、DX認定を受けた企業は、より良い経営のためにDXを推進している企業として、広く認知されることになります。
すると、社会からの企業の認知度や評価は高くなり、結果として企業価値の向上が期待できます。
税額控除
DX認定を取得した企業は、一部の税額控除を受けることが可能です。
これはDX投資促進税制に基づくもので、具体的にはデジタル環境の整備に必要な機器等の投資に対し、税額控除(5%もしくは3%)または特別償却(30%)が可能になるというもの。
ただしこの制度の適用を受けるには、DX認定の取得以外にも、生産性や売上高などに関する複数の要件をクリアしなければなりません。
詳細は財務省『令和3年度税制改正 法人課税』からご確認ください。
経営状況の整理
DX認定制度に基づきDX認定を受けるには、ただ業務のデジタル化を進めれば良いというわけではありません。必要なのは、「DX推進のための優良な取り組み」です。つまり、闇雲なDXではなく、自社にとってより良い効果をもたらす形でのDXが求められているのです。
そのような取り組みを行うためには、まず自社の経営環境や業務プロセス、問題点などを洗い出す必要があります。どの部分の課題をDXで解決するか、戦略を練るためです。
この洗い出しのプロセスにより、現在の経営状況を可視化でき、その内容を整理できる点は、DX認定を目指す上でのメリットのひとつ。ただDXを進めるだけでなく、業務の問題点や無駄を把握することで、経営状況の改善を試みることができます。
DX認定制度取得のプロセス
DX認定制度に基づきDX認定を取得するためのプロセスは、大きく次の2つに分けることができます。
・社内プロセス
・申請プロセス
DX認定取得において重要なのは、実際にDX戦略を策定していく社内プロセスです。このプロセスが適切に行われなくては、DX認定の取得は難しいでしょう。
また、DX認定制度を利用するには、企業側からの申請が必要ですが、この申請プロセスは決して複雑ではありません。申請を受け付ける「DX推進ポータル」の指示に沿って必要事項を入力すれば、申請は完了します。
ここでは、DX認定取得における社内プロセスと申請プロセスを詳しくご紹介します。
社内プロセス
DX認定を取得するには、まず「DX推進のための優良な取り組み」と認定されるような取り組みを実行しなければなりません。社内プロセスとして、社内で取り組みを進めていく必要があります。
具体的なプロセスは、次のような流れになります。
社内プロセスの流れ
①経営ビジョンとビジネスの方向性を策定・公表する
②①を実現させるための、デジタル技術を活用した戦略を策定・公表する
③②の戦略の推進状況を管理する体制を構築する
④経営者からDX推進に関する情報発信を行い、従業員の理解を深める
⑤DX推進状況の確認(経済産業省「DX推進指標」を参考にするのがおすすめ)
⑥セキュリティ対策の実施・報告書作成
このような流れでDX推進のための戦略を実行し、書類をまとめたら、次に申請プロセスに入ります。
申請プロセス
DX認定の申請は、まず必要書類を準備することから始めます。
DX認定制度のホームページから、申請書とチェックシートをダウンロードし、必要事項を記入しましょう。補足資料が必要な場合にはそれも用意し、「DX推進ポータル」からアップロードします。
DX認定の審査にかかる期間は、申請を行ってから原則として60日間(土日祝を含まない)です。
万が一書類に不備があった場合は、再提出することも可能です。
申請に必要な内容
DX認定の申請に必要な内容は、経済産業省による「デジタルガバナンス・コード」に、基本事項としてまとめられています。
具体的には、以下のような内容がDX認定の申請に必要な内容、つまり「デジタルガバナンス・コード」の基本事項にあたります。
1.ビジョン・ビジネスモデル
デジタル技術を理解し、それを踏まえた経営ビジョンやビジネスモデルの策定および公表が行われているか。
2.戦略
ビジョンやビジネスモデル実現のため、デジタル技術を用いたデータ活用による戦略を策定し、公表しているか。
2-1.組織づくり・人材・企業文化に関する方策
戦略を推進するための体制・組織を構築し、公表しているか。
2-2.IT システム・デジタル技術活用環境の整備に関する方策
戦略を推進するためのITシステム・デジタル技術活用環境の整備に関する方策を策定し、公表しているか。
3.成果と重要な成果指標
戦略の達成度を測る指標を決定し、公表しているか。
4.ガバナンスシステム
経営者による情報発信が行われているか。
経営者のリーダーシップのもと、課題の把握をおこなっているか。
サイバーセキュリティガイドラインに基づき、定期的にセキュリティ監査を行なっているか。
DX認定を取得するには、申請の内容がこれら全ての項目に対応するものでなくてはなりません。そのため、まずは社内プロセスにおいて、これらの項目を踏まえた戦略を策定することが重要です。
また、これらの項目においては、戦略等の策定だけでなく、その内容がステークホルダーに示されているかどうかという点も、大きなポイントになります。
まとめ
DX認定制度は、DX推進のために優良な取り組みを行う企業を認定するための制度です。
DX認定を取得した企業は、企業価値を向上させることができるだけでなく、取得準備の過程において業務の改善を目指すことも可能であることから、DX認定を申請する企業は増えています。
ただし、DX認定を取得するには、「デジタルガバナンス・コード」に基づいた内容でのビジョンや戦略等の策定が求められます。DX認定の取得を目指すなら、まずは、DX認定制度の申請チェックシートを確認し、その内容を踏まえ、社内のDXを進めていくべきでしょう。
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