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自社の業務改善のために、業務マニュアルの作成を行う企業は多いのではないでしょうか。
業務マニュアルの導入は、業務効率化や従業員のスキルアップに効果的です。時間や人的コストがかかっている現状の業務は、業務マニュアルの導入によって改善される可能性があります。
ただし、業務マニュアルによって業務改善を図るには、質の高い業務マニュアルを作成しなければなりません。
そこで今回は、業務マニュアル作成のコツと手順、また運用のポイントについても詳しく解説します。
業務マニュアル作成のコツ
まずは、業務マニュアル作成のコツを6つご紹介しましょう。
1.テーマと要点を明確にする
業務マニュアルは、テーマと要点が明確にわかるような内容で作る必要があります。仕事の本質や重視するポイントなど、「マニュアルを通して何を伝えたいか」がわかる内容でなければ、マニュアルを読んでも従業員の業務に対する理解は深まらず、「自分達に求められていること」も伝わりません。
テーマと要点を明確にするには、マニュアルをテーマごとに分け、全体の要点や手順ごとの要点を意識しながらマニュアル作成を進めるやり方が効果的です。
2.業務の全体像を把握できる内容にする
業務マニュアルは、業務の全体像を把握できる内容にすることが大切です。
業務の全体像を見通すことができれば、従業員は、各作業の目的を理解した上で仕事を進めることができます。これにより、業務への理解が深まるとともに、トラブル発生時に柔軟な対応を行うことも可能になります。
マニュアルを通して業務の全体像を把握できるようにするには、フローチャートの活用が有効。一目で業務の全体像がわかるフローチャートの記載は、質の高いマニュアル作成に必須です。
3.行動と考え方を分けて記載する
業務マニュアルに記載する内容は、大きく「行動」と「考え方」の2種類に分けることができます。具体的な「行動」と、その行動をどのようなスタンスで行うかという「考え方」の両方を記載することで、従業員は「求められていること」をイメージしやすくなります。
「行動」の記載だけではアドリブが効きませんが、「考え方」も共に記載すれば、従業員はそれを基に、相手や状況に応じて柔軟に対応できるようになるでしょう。
4.読み手が理解しやすい内容にする
業務マニュアルは、読み手が理解しやすい内容で作成しましょう。
専門用語を使いすぎたり内容が難しすぎたりするマニュアルを通して、従業員が業務の理解を深めることは困難です。専門用語はなるべく避け、わかりやすい文章での作成を意識しましょう。
また、マニュアルの文章は、5W1H(When:いつ、Where:どこで、Who:誰が、What:何を、Why:なぜ、How:どのように)を意識するのも効果的です。5W1Hを意識すれば、相手に伝えたいことを過不足なく伝えることができます。
5.ビジュアルにもこだわる
文字ばかりの業務マニュアルは、読みにくく、「理解しよう」という読み手の意識を削いでしまいます。
読み手の興味を引き、伝えたい内容をわかりやすいものにするため、業務マニュアルはビジュアルにもこだわりましょう。具体的には、図や表を多く用いたり色使いで要点を明確にしたりといった方法があります。
ビジュアルにもこだわった業務マニュアルは実用性に優れ、従業員間での積極的な活用が期待できます。
6.変化に対応させていく
業務は、日々変化していきます。業務の手順が変わったり、内容が変わったりすることも多いでしょう。
業務マニュアルは、このような業務の変化に対応させ、いつでも最新の状態にしておく必要があります。つまり、メンテナンスが重要なのです。
業務マニュアルは作成すれば終わりではありません。その後の運用にも力を入れることで、継続的な業務改善を図ることができます。
業務マニュアル作成の手順
次に、業務マニュアルの作成手順を6つに分けて見ていきましょう。手順ごとに区切って作業を進めることで、業務マニュアルの作成は明確でスムーズに進められます。
手順1:業務や作業手順、その注意点などの洗い出し
業務マニュアルの作成にあたって、まずは現状の業務や作業の洗い出しを行います。また、各業務・作業における注意点や懸念点も明確にしておきましょう。
この手順を正確に進めるには、現場からのヒアリングが必要。現場の声をもとに状況を確認しながら、手順を進めます。
手順2:業務マニュアルを適用する範囲を決定
業務やその注意点の洗い出しが完了したら、どの範囲をマニュアルにするか、適用範囲を決定します。初めから全てをマニュアル化するのは困難なので、まずはスモールスタートを目指し、適用範囲を決めてください。
この時、業務マニュアル作成のスケジュールについても策定しておきましょう。
手順3:業務マニュアルの骨組みと記載内容の決定
手順1で洗い出した事項をもとに、マニュアル適用範囲の業務について、記載する骨組みと内容を決めていきます。
まずは大まかな構成と目次を決め、それらを時系列と担当者別に並べると、業務マニュアルとして理解しやすい並びになります。
手順4:業務マニュアルの内容作成
実際に、業務マニュアルの内容作成に入っていきます。
先述の通り、誰にでも理解できるわかりやすく簡潔な文章を意識し、図表も積極的に取り入れましょう。
手順5:業務マニュアルの運用開始
業務マニュアルが完成したら、運用を開始します。まずは仮運用から始め、マニュアルの活用を推進し、必要に応じて改善を行います。
手順6:業務マニュアルの効果測定・改善
本格的に運用を開始した後も、業務マニュアルの見直しは必要です。定期的に業務マニュアルの効果測定を行い、必要な改善を重ねましょう。
業務に変更があった場合の対応など、定期的なメンテナンスのもと、運用を続けていきます。
業務マニュアルを運用する際のポイント
最後に、業務マニュアルを効果的かつ効率的に運用するためのポイントを4つご紹介します。
誰もが業務マニュアルを活用しやすい環境を整える
業務マニュアルは、多くの従業員に活用されて初めてメリットを発揮する経営施策です。
従業員に積極的なマニュアル活用を促すためには、マニュアルを活用しやすい環境づくりが大切。「誰もが必要な時にすぐ」マニュアルを利用できるよう、マニュアルの場所や利用方法を従業員に周知しておきましょう。
また、マニュアルの活用において複雑な作業が発生しないよう、操作性を高めておくことも重要です。
定期的な改善とメンテナンスを続ける
業務の変化や従業員のニーズに対応するため、業務マニュアルは定期的な改善とメンテナンスを続けていかなくてはなりません。業務マニュアルが古いままだと、業務に思わぬトラブルが発生してしまう可能性があります。
業務マニュアルの改善・メンテナンスについてはルールを定めておき、長期間放置されることのないよう気をつけてください。
業務マニュアルの運用担当者を決める
業務マニュアルの運用については、担当チームや担当者をあらかじめ決めておきましょう。
担当者を決めておくことで責任の所在が明確になれば、業務マニュアルのメンテナンスを確実に続けることができます。
業務マニュアル作成ツールを活用する
業務マニュアルの作成・運用には、業務マニュアル作成ツールの活用がおすすめです。専用ツールを活用することで、業務マニュアルの作成やメンテナンスは楽になり、担当者の業務負担を軽減することができます。
業務マニュアル作成ツールにはさまざまな種類があるので、自社に合ったものを選ぶようにしてください。
まとめ
業務マニュアルは、読み手の立場に立ち、わかりやすく明確な内容で作成することが大切です。さらに、業務マニュアルを活用しやすい環境を整えれば、業務マニュアルによる業務改善効果は十分に期待できるでしょう。
また、業務マニュアルを作成後には、運用にも力を入れましょう。継続的にメンテナンスを続けていくことで、業務マニュアルの内容はより洗練されたものになり、それは企業のナレッジ蓄積にも繋がります。