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ビジネスでもそれ以外でも、一般的に使用されるようになったSaaS。デバイスや人数を限定せず柔軟な使用が叶うSaaSは、さまざまな業務や情報のやり取りに活用されています。
多様な情報が入力され保存されるSaaSは、セキュリティ面での安全性が重要です。既に提供されているSaaSには高いセキュリティ対策が取られているものの、より安全性を高めるには、使用者側の意識や対策も大切になります。
そこで今回は、SaaSのセキュリティやその課題についてご紹介します。
SaaSで重要な情報を取り扱っている方は、今一度SaaSに関する自身のセキュリティ対策をチェックしてみてください。
SaaSとは
「SaaS(サーズ、サース)」とは、「Software as a Service」の略で、「インターネットを介して提供されるクラウドサーバー上のソフトウェアおよびそのサービス」を指す言葉です。
ひと昔前までは、ソフトウェアを使用するには、まずソフトウェアをパソコンにインストールし、そのパソコンからソフトウェアにアクセスする必要がありました。
しかし、SaaSはインターネットを経由して直接ソフトウェアを使用することが可能なので、わざわざインストールを行う必要はなく、使うデバイスも限定されません。パソコンやスマートフォンなどのデバイスとインターネット環境さえあれば、ユーザーはどこからでも、そのソフトウェアにアクセスすることができます。
複数人での同時アクセスやクラウド上でのデータ保存も可能であることから、グループ作業や組織での情報共有にも向いており、現代ではビジネスにおいて SaaSの活用はごく一般的なものになっています。
SaaSはクラウドサービスの一部であり、具体例としては、Google WorkspaceやMicrosoft 365などもSaaSの一種です。
SaaSの種類は豊富で、社内外とのコミュニケーションやCRM(顧客関係管理)、会計業務などにも、専用のSaaSが活用されています。
SaaSのセキュリティに関するメリット
SaaSでは、クラウド上でソフトウェアを利用し、そのデータを保存します。そのため、当然セキュリティに関しては一定のリスクがあるのですが、それに備え、SaaSの提供者はセキュリティ対策に力を入れています。
ここでは、セキュリティにおけるSaaSのメリットを2つ挙げてみましょう。
①自社で行うよりも高セキュリティ・低コスト
自社サーバでシステムを構築し、セキュリティも整備するとなると、その作業には手間と時間、コストがかかります。
しかし、SaaSを利用すれば、専門知識を持つベンダーによって高いセキュリティ対策が取られたソフトウェアを、手軽に導入して使用することが可能です。
ベンダーは、あらゆるセキュリティリスクを想定した上で、改善のためのアップデートを重ねながらサービスの提供を行なっています。そのため、SaaSにおけるセキュリティ上の安全性は高く、ユーザーは、自社で全てのセキュリティを整備するよりも高いセキュリティを低コストで使用できるのです。
②セキュリティ業務をベンダーに一任
SaaSの基本的なセキュリティ業務は、ベンダーに一任することができます。
ベンダーは、基本となるセキュリティの整備だけでなく、通信障害やOSの脆弱性などといったトラブルが発生した場合にも、迅速に対応し、必要に応じてソフトウェアのバージョンアップを行います。SaaSを使用している会社で、何か特別な対応を行わなくてはならないということはほぼありません。
これにより、自社でシステムおよびセキュリティを構築・運営する場合に必要となる手間やコストは不要に。自社の社員を、ソフトウェアの運用ではなく、コア業務に集中させることができます。
SaaSのセキュリティ対策に関する課題
前述のようなメリットがある一方で、SaaSにはセキュリティに関する課題も存在します。当然、ベンダー側は常に最大限のセキュリティ対策を行っているわけですが、使用者側でもセキュリティ意識を高めておくことは大切です。
SaaSのセキュリティに関しては、起こりうる課題として、使用者側も以下の点に気を付けておく必要があります。
課題①使用者による情報漏洩
ベンダーがセキュリティに力を入れていても、使用者側の不注意や意図的な行為により、情報が漏洩するリスクはあります。例えば、使用者がパソコンやスマートフォンを紛失してしまったり、不正のために意図的に情報を漏洩させていたりした場合には、SaaSのベンダー側のセキュリティは役に立ちません。
このような場合の責任は、当然使用者側にあります。
使用者による情報漏洩のリスクを回避するためには、すべての従業員に情報とデバイスの管理を徹底させ、その重要性について理解してもらうための教育や仕組みづくりが必要でしょう。
課題②第三者による攻撃
第三者からの攻撃により、情報が侵害されるトラブルは多く発生しています。どんなにセキュリティ対策を整備していても、情報への不正アクセスやなりすましにより情報が漏れ、それを悪用されてしまうリスクはゼロにはなりません。
第三者からの攻撃リスクについては、ベンダー側だけでなく、使用者側でも意識し、情報の取り扱いに気を付けていくことが大切です。
課題③SaaSサービスの障害や終了
セキュリティ対策が整備されているとはいえ、SaaSサービスには、予期しないセキュリティ障害が起こる可能性があります。障害によって、データが消えたり一時的に第三者がアクセスできる状態になってしまったりするリスクは、少なからずあるのです。
また、場合によっては使用していたサービスが終了することもあるでしょう。
このようなリスクを最大限回避するには、信用性の高いベンダー、およびSaaSを選択する必要があります。
SaaSで取り組むべきセキュリティ対策
ご紹介したように、SaaSには高いセキュリティを期待できる一方で、使用にあたって一定のリスクも生じます。このリスクを低減するには、ベンダー側でも使用者側でもセキュリティ対策に力を入れることが大切です。
ここからは、SaaSの使用において取り組むべきセキュリティ対策を、使用者側とベンダー側に分けてご紹介しましょう。
使用者側のセキュリティ対策
SaaSの使用にあたっては、「ベンダーがセキュリティを整備してくれているから」と油断せず、使用者側でも以下のような対策を行いましょう。
・ガイドラインの作成
情報の取り扱いに関してガイドラインを制定し、社内で共有する。情報の取り扱いに関する意識改革にも有効。
・パスワードの適切な管理
単純なパスワード設定や使い回しを行わない。
・多要素認証によるログイン
ID、パスワード入力以外の手段でログインすること。ワンタイムパスワードなどを用いた二段階認証等。
・アクセス制御
アクセス可能範囲に制限をかけておく。
・ファイル暗号化
アップロード時のファイル暗号化。専用サービスで暗号化しなくても、SaaS自体が対応している場合も。
ベンダー側のセキュリティ対策
SaaS導入時には、サービスを提供するベンダー側が以下のようなセキュリティ対策を取っているかどうか確認しましょう。
・データのバックアップ
データ消去に備えた、複数場所へのデータバックアップ。
・通信の暗号化
不正アクセスに備えた、通信情報の暗号化。
・アクセスログ管理
「誰が、いつ、どのようにしてシステムにアクセスしたのか」というログを保管する。
まとめ
SaaSは手軽で柔軟に導入・使用できるのが魅力ですが、その中の情報はセキュリティを意識して丁重に取り扱う必要があります。ちょっとした油断が、情報漏洩などの大きなトラブルに繋がる可能性も、小さくはありません。
SaaSのセキュリティ運営は大部分をベンダー側が行ってくれますが、使用者側でもある程度の対策を講じておくことが大切です。
セキュリティ対策は、何重にしておいても損はありません。SaaS使用にあたっては、ベンダー任せにせず、使用者側でもセキュリティを意識するようにしてください。