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インターネットを利用するリスクのひとつに、サーバー障害があります。
サーバー障害が起こると、Webサイトへのアクセスやメールの送受信が困難になり、場合によってはインターネット上のデータが消失する可能性もあります。これにより、インターネットを利用したサービスを実施する企業には、そのサービスを提供できなくなる恐れが生じます。
ニュースで耳にすることも多いサーバー障害ですが、その原因にはいくつかの種類があります。
また、原因ごとに、企業が取るべき対処方法や対策は異なります。
今回は、サーバー障害への備えとして、その原因と対処方法・対策について解説します。
サーバー障害の主な原因
サーバー障害の原因は、次のように分類されます。
①外部要因→アクセス集中・サイバー攻撃・災害
②内部要因→ヒューマンエラー・ソフトウェアの不良・ハードウェアの故障
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①外部要因
サーバー障害の外部要因には、次の3つが考えられます。これらは社外からの動きによるものであり、自社でのコントロールが難しいため、事前に対策を打っておくことが重要です。
アクセス集中
サイトにアクセスが集中しすぎた場合、サーバーに過度な負荷がかかり、障害が起こる可能性があります。
メディアで紹介された商品のECサイトでの発売時や人気の高いエンターテインメントチケットのネット予約開始時などに、サイトに多くの人のアクセスが集中し、サーバーがダウンしてしまったという例は、少なくありません。
サイバー攻撃
サイバー攻撃は多様な手法で行われます。その中でもサーバー障害に繋がりやすいのが、DoS攻撃やDDoS攻撃です。
これらの攻撃は、どちらも大量の情報を相手のサーバーに送り付けるというもの。結果として、サーバーに大きな負荷がかかり、サーバー障害が発生する恐れがあります。
また、悪意のある第三者が不正にサーバーに侵入してデータを破壊し、それがサーバー障害に繋がった例も確認されています。
災害
地震や津波、水害、落雷、火災といった災害によって、データセンターなどに被害が及んだ場合も、サーバー障害が起こる恐れがあります。
日本は特に地震が多く、システムやサービスを継続するための災害に強い環境構築は、企業の喫緊の課題となっています。
②内部要因
サーバー障害の内部要因には、次の3つが考えられます。内部要因とはいえ、これらを完全に除去することはできませんが、日頃からの保守点検などによりそのリスクを低減させることは可能です。
ヒューマンエラー
操作ミスやメンテナンスのミス、プログラムのバグなど、ヒューマンエラーによる障害の発生は、決して少なくはありません。
操作中にファイルを削除してしまうなどのちょっとしたミスがサーバー障害を引き起こし、大きなトラブルに発展する可能性もあります。
ソフトウェアの不良
ソフトウェアの不良(バグ)はソフトウェアの開発初期によく見られ、これがサーバー障害に繋がることもあります。その場合、開発を行ったベンダーによる対応が必要になります。
ハードウェアの故障
ハードウェアの物理的な故障も、障害の原因として考えられます。
サーバーは普段から大きな負荷を受け、熱を帯びているため、その部品は故障しやすいと言われています。部品の故障によりサーバーがうまく稼働せずダウンしてしまう例は、暑い時期に特によく発生します。
サーバー障害の対処方法
次に、サーバー障害が発生した場合の対処方法を3段階のフローで確認していきましょう。
①状況確認
サーバー障害が発生した場合、まずは状況確認を行い、正確に状況を把握します。どのような不具合がどこまで出ているか影響範囲を確認し、ソフトウェアの稼働状況も見ておきましょう。
また、関連する障害が出ていないかどうかも確認しておいてください。
この時、障害発生時の対応フローに基づき、各担当者に速やかに連絡することも重要です。情報共有を徹底し、各方面から問題解決を目指します。
②原因特定・サーバーの復旧
次に、原因の特定に入ります。
ログなどを参照して、どのレイヤーで障害が起こったかを把握し、サーバーや機器の状態を確認していきます。
原因が特定できたら、復旧作業に入ります。
システムによる自動復旧ができなかった場合にはエンジニアの手による復旧が行われますが、復旧にかなりの時間を要する場合には、代替システムなどを用いサーバーを暫定復旧させておきましょう。
③再発防止策の実行
復旧完了後には、再発防止策を策定します。同じ原因によるサーバー障害が今後起こらないよう、根本的な原因を取り除いて適切な対策を実装し、備えるようにしてください。
サーバー障害を未然に防ぐための対策
最後に、サーバー障害を未然に防ぐために有効な対策を6つご紹介します。
サーバーの冗長化
サーバーの冗長化とは、障害発生に備え、普段から予備のサーバを用意しておくことです。サーバーを冗長化しておけば、メインサーバーで障害が発生したとしても、速やかに予備のサーバーに切り替えることができます。これにより、復旧作業中も業務やサービスを止めずに済みます。
ただし、予備のサーバーを運用するにはコストがかかります。
クラウドサービスの利用
クラウドサービスの利用も、サーバー障害対策として効果的です。アクセスの増加が予測されるタイミングでクラウドサービスを利用して負荷を分散させれば、サーバーダウンを予防することができます。
そもそも、クラウドサービスではサーバーの管理をベンダー側が行うため、ユーザー側がサーバーダウンを気にしてサーバー管理を行う必要もありません。
ただし、クラウドサービスの利用にも一定のコストがかかります。
ロードバランサーの導入
ロードバランサーとは、トラフィックを複数のサーバーに分散する装置のこと。これを導入すれば、1台のサーバーにかかる負荷を軽減させることができます。
負荷分散により通信をスムーズにするロードバランサーは、障害発生対策としてだけではなく、普段のサービス提供の質向上にも効果的です。
運用監視システムの導入
運用監視システムは、サーバーやハードウェアの監視を行うシステムです。24時間稼働して正常な稼働を監視し、障害発生時には通知を行うこのシステムを導入すれば、管理者は障害に対し迅速に対応できるようになります。
ログ管理や侵入経路通知、復旧サポート機能などを搭載しているものもあり、障害発生後の対応にも役立ちます。
障害発生時の体制確立
障害発生に備え、障害発生時の対応についての体制を確立しておくことも重要です。体制や対応フローが整っていなくては、いざという時に迅速な対応を行うことができません。
サイバー攻撃が増加する現代では、サーバー障害も、どの企業にいつ起こるかわかりません。万が一に備えた体制構築は、被害を最小限に抑えるためにも必要です。
定期点検・交換の実施
ハードウェアの物理的な故障は、サーバー障害に繋がります。
これを避けるためには、普段から部品の定期点検や定期交換を実施しておくことが大切です。定期的に点検・交換を行えば、機器の状態を把握し、障害発生を未然に防ぐことができます。
まとめ
サーバー障害には、アクセス集中やサイバー攻撃、災害、ヒューマンエラーなど、複数の原因があります。これらはどの企業にも起こり得ることであり、そのリスクを抑えるには、普段から対策を講じておくことが大切です。また、障害発生に備え、体制を整備し、対応フローを確立しておくことも重要でしょう。
サーバー障害は多くのシステムで起こっており、近年ではメディアで取り上げられることも多くなりました。障害発生に伴う被害を最小限に抑えるための対策を取ることは、企業の義務だと言えるでしょう。