デジタル化が進む社会において、情報セキュリティ対策は、企業にとって優先度の高い課題です。特にデジタルへの移行を進めている中小企業では、まだ十分なセキュリティ対策が講じられていない場合も多いのではないでしょうか。

情報の改ざんや漏えい、消失は、その企業の信用に大きく関わる問題。社会からの信用を保つためにも、企業は普段から情報セキュリティ対策に力を入れておく必要があります。

そこで今回は、企業が取り組むべき情報セキュリティ対策のポイントについて、詳しく解説していきます。

情報セキュリティ対策とは

情報セキュリティは、情報の①機密性②完全性③可用性を確保することと定義されます。

①情報の機密性
情報にアクセスできるのは、その情報へのアクセスを認められた人だけである状態を確保すること
②情報の完全性
情報が改ざんされたり、破壊・消去されたりしていない状態を確保すること
③情報の可用性
情報へのアクセスを認められた人が、必要な時に情報へアクセスできる状態を確保すること

情報セキュリティ対策とは、情報の機密性・完全性・可用性を確保するための対策を講じること。
わかりやすく言い換えると、情報への不正アクセスや漏えい、改ざん、ウイルス感染によるデータ破壊、システムの予期しない停止などのトラブルを避け、安全にインターネットやそのデバイスを使い続けられるようにするための対策を行うことが、情報セキュリティ対策にあたります。

情報セキュリティ対策に取り組む重要性

ビジネスのデジタル化が進む中で、サイバー攻撃や情報漏えい、ウイルス感染など、情報をデジタルで扱うことによる脅威は増えてきました。このような脅威を避けるため、企業が情報セキュリティ対策に取り組むことの重要性は高まりを見せています。

なぜ企業が情報セキュリティ対策に取り組まなければならないのかというと、情報に関する脅威には、以下のようなリスクがあるためです。

顧客からの信用を失う可能性

機密情報の漏えいが起きると、顧客の企業に対する信用は低下します。特に顧客情報が漏えいした場合には、多くの顧客がその企業から離れてしまうでしょう。
それが企業のミスではなく、サイバー攻撃など第三者からの攻撃によるものであっても、その企業は、社会から「情報を正しく取り扱っていない」「情報セキュリティが甘い」といった印象を持たれてしまいます。

売上の機会を失う可能性

予期せぬ通信障害やウイルス感染によってシステムが停止し使えなくなると、企業の提供するサービスもストップしてしまいます。
例えば、ECサイトのシステムが停止すると、その間、インターネットショッピングで得られる売上は失われます。また、営業システムが使えなくなれば、営業活動にも支障が及ぶでしょう。

このようにして売上や営業の機会を失う可能性があることは、企業にとって大きなリスクです。

悪用された情報で被害を被る人が出る可能性

情報への不正アクセスや漏えいによって第三者に渡った情報は、詐欺などに悪用されてしまう可能性があります。
企業から漏えいした情報をもとに被害を被る人や企業が出た場合、情報漏えい元の企業の責任は、決して小さいものではありません。

情報セキュリティの被害内容

情報セキュリティに関する被害にはさまざまなものがあります。ここでは情報セキュリティに関する被害(脅威)の具体例をご紹介しましょう。

標的型攻撃メール
企業や組織の担当者に、業務に関するメールだと思わせて開封させる、巧妙な手口のウイルス付きメール。組織から機密情報を盗む目的であることが多い。
ランサムウェア
身代金要求型不正プログラム。感染したパソコンを使用できない状態にし、それを基に戻すことと引き換えに身代金を要求する。
個人情報漏えい
サイバー攻撃や人為的ミス、内部不正などによる情報漏えいは、個人情報の悪用やクレジットカードの不正利用に繋がる。
ウェブサイトの改ざん
企業のウェブサイトへ不正に侵入し、システムの改ざんや破壊を行うことにより、ウェブサイトによるサービスを停止に追い込む。
障害によるデータ消失・業務停止
予期せぬシステム障害により、データが消失したり、システムが使えないことにより業務を停止せざるを得ない状況になる。
インターネットバンキングの不正送金
インターネットバンキングや仮想通貨からの不正送金。近年では、スマホ決済が不正利用される例も多い。

他にも、さまざまな手口により、情報セキュリティに関する被害は起こっています。
どんな手口でどんな被害が起こっているか把握し、それに対する対策を講じることは、企業の義務だと言えるでしょう。

情報セキュリティ対策の対策一覧

企業で導入を検討すべき、情報セキュリティ対策を一覧で見ていきましょう。

情報漏えい対策パスワード管理の徹底

情報取り扱い(資料や機器の管理・廃棄など)のガイドライン制定とその徹底

権限の厳格化

無線LANのセキュリティ設定強化

ファイアウォールの導入

共有設定の見直し

不正アクセス対策パスワード管理の徹底

こまめなソフトウェア更新

ログの取得・管理

ファイアウォールの導入

不正侵入防止システムの導入

アクセス制限設定

ウイルス対策ウイルス対策ソフトの導入

こまめなソフトウェア更新

Webサイトのフィルタリング

システム障害対策自動バックアップ

設備の安全性確保

無停電電源装置の導入

上記は例であり、各トラブルに対する対策は他にも存在します。
何重にも対策を行い、情報セキュリティを強化して、情報リスクの低減を図ることが大切です。

情報セキュリティ対策に取り組む際のポイント

顧客からの信用を維持し安全に事業を継続するためには、企業は情報セキュリティ対策に力を入れる必要があります。
ここからは、企業が情報セキュリティ対策に取り組む際のポイントを5つご紹介します。

情報漏えいを防止する

情報セキュリティ対策としてまず挙げられるのが、「情報漏えいの防止」。情報が漏えいすることのないよう、企業は情報の管理を徹底しなければなりません。

情報漏えいの防止には、セキュリティに優れたシステムやクラウドを利用するなどといったデジタル面での施策が有効。またそれ以外にも、社内における資料や機器の取り扱いにルールを設けるなど、社員ひとりひとりの情報の取り扱いを徹底管理する必要もあります。

不正アクセスを防止する

企業は、不正アクセス防止のためのセキュリティ対策にも取り組まなければなりません。第三者によるシステムへの侵入は、情報の漏えいや改ざん、破壊などさまざまなリスクに繋がります。

不正アクセスを防止するには、パスワードを複雑にしたりログイン認証に複数の手続きを用いたりと、簡単にログインを破れない状態を作るとともに、ログの取得や管理によって、不正なアクセスの有無を監視していく仕組みを作ることが大切です。

デバイスのセキュリティを強化

情報セキュリティ対策としては、システムだけでなく、パソコンやスマホ、タブレットなどのデバイス自体のセキュリティも強化しておく必要があります。
特にスマホのセキュリティは疎かにされやすいですが、ウイルス対策ソフトを入れるなどして、各デバイスを安全に保ちましょう。また、それぞれのデバイスの取り扱いにも気をつけなければなりません。

役割や責任の所在を明確にする

情報の取り扱いに関しては、社内で役割や責任の所在を明確にしておくことで、より効果的・効率的な情報セキュリティ対策を取ることができます。
情報セキュリティに特化した人材を確保し、専門チームを立ち上げるなどして、社内での情報セキュリティ対策を推進していくのもひとつの方法でしょう。

情報セキュリティに対する社員の意識を高める

情報セキュリティを高めるには、社員ひとりひとりが情報の取り扱いに対し、高い意識を持っていなければなりません。
社員の情報に対する意識を高めるには、情報取り扱いのガイドラインの制定や情報セキュリティに対する教育が効果的。情報を慎重に取り扱う風土を醸成することが重要です。

委託先のセキュリティにも注意

業務を外部企業に委託している場合には、委託先の会社の情報セキュリティについても確認しておく必要があります。委託先の会社で情報セキュリティに関するトラブルが生じれば、委託元の企業もリスクを被ることになってしまいます。

まとめ

情報セキュリティ対策は、自社の機密情報や顧客の個人情報など、重要な情報を取り扱う企業が行うべき義務です。情報漏えいや改ざんなどの被害は、企業や顧客に大きな損害を及ぼす恐れがあります。
さまざまなリスクを回避するためにも、想定される脅威への備えは万全に行い、社内における情報取り扱いに関する意識向上を目指しましょう。