パソコンやスマートフォンの普及により、ビジネスや生活におけるインターネットの活用は当たり前になりました。現在では、車や住宅など、身の回りのさまざまなモノがインターネットに繋がるようになっています。

このような、インターネットに繋がるモノが増えたことにより注目されているのが、ビッグデータ。
多くの企業や組織は、インターネットに繋がるモノから収集したビッグデータをサービスや製品の提供に役立てています

では、このビッグデータとは具体的にどのようなものを指すのでしょうか。またビッグデータの活用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

そこで今回は、ビッグデータについて、種類やメリット活用事例など詳しく解説していきます。

ビッグデータとは

近年よく耳にするビッグデータ。ビッグデータについて深く知るために、まずはビッグデータの定義について確認しておきましょう。

ビッグデータは事業に役立つ膨大なデータ

ビッグデータは直訳すると「大きなデータ」となり、膨大なデータという意味で使われることが多い言葉です。しかし総務省では、鈴木良介氏の著書『ビッグデータビジネスの時代』をもとに、ビッグデータ・およびビッグデータビジネスを以下のように定義しています。

◆ビッグデータ
事業に役立つ知見を導出するためのデータ”
◆ビッグデータビジネス
“ビッグデータを用いて社会・経済の問題解決や、業務の付加価値向上を行う、あるいは支援する事業”

(引用:総務省『第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋』より)

つまり、ビッグデータを定義するには、「事業に役立つ」という点も重要な要素であることがわかります。

ただし、ビッグデータはただの膨大で事業に役立つデータではありません。ビッグデータには、複数の観点において、従来のデータとの違う特徴があります。
それが、「Volume」「Variety」「Velocity」「Value」。次章で詳しくご説明いたします。

ビッグデータの4V

ビッグデータは、4つのVと言われる下記の特徴を持っています。

・Volume(容量)
典型的なデータベースソフトウェアが把握・蓄積・運用・分析できる能力を超えた容量であること(数テラバイト〜数ペタバイト程度)・Variety(種類)
データの出所が多様で、構造化データ(※1)だけでなく、さまざまな種類の非構造データ(※2)も含まれること・Velocity(頻度・スピード)
高頻度でリアルタイム性が高いこと

・Value(価値)
分析・活用によって経済的価値が発生すること

ビッグデータとは、これら4つのVを満たす、事業に役立つ膨大なデータのこと。多様性およびリアルタイム性が高い多量なデータを分析・活用することによって、企業や組織は新しい事業を始めたり業務を効率化したりし、経済的価値を創出しています。

※1構造化データとは
決まった構造になるよう整形されたデータのこと。CRMやERPといった業務用ツールで利用される売上データ・顧客データなどは構造化データにあたる。
※2非構造データとは
ネイティブな形のままのデータのこと。テキストや音声、ログ、位置情報、センサなどから得るデータは非構造データにあたる。

ビッグデータの種類

ビッグデータは複数の種類のデータで構成されています。ここでは、その種類を8つ、ビッグデータの例としてご紹介します。

オフィスデータオフィスのパソコンやタブレットで作成される文書やメールなどのデータ
オペレーションデータ販売管理システムなどで収集・管理される取引明細やPOSなどのデータ
カスタマーデータCRMやSFAなどで管理・分析される会員情報や販促履歴などの顧客データ
ソーシャルメディアデータSNSやブログなどのソーシャルメディアから得られる、ユーザーのプロフィールやコメントなどのデータ
WebサイトデータWebサイトの運営を通して取得・蓄積される購入履歴やエントリーなどのデータ
マルチメディアデータWeb上の動画配信サイトや音楽配信サイトなどで提供される動画や音楽などのデータ
センサーデータGPSやICカードなどから検知・取得される位置情報や乗車履歴、体温などのデータ
ログデータウェブサーバーで生成されるアクセスログやエラーログなどのデータ

(参考:総務省資料『ビッグデータの活用に関するアドホックグループの検討状況』より)

上記は一例であり、ビッグデータは多様な種類のデータから成り立っています。

ビッグデータの活用メリット

近年ビッグデータに注目が集まっているのは、その活用によって、複数のメリットを得ることができるためです。
ビッグデータ活用に期待できる3つのメリットを見ていきましょう。

リアルタイムな現状把握

前述の通り、ビッグデータはリアルタイム性が高いという特徴があります。

そのため、ビッグデータを活用すれば、企業や組織はリアルタイムな現状把握を正確に行うことが可能です。現状把握から今行うべきことを導き出し、現状へのベストな対応を迅速に行うことができれば、企業や組織の売上やサービスは向上します。

リアルタイムなニーズ把握

リアルタイム性が高くデータの量も多いビッグデータの活用は、消費者ニーズの把握にも役立ちます。ビッグデータを活用すれば、現状のニーズを把握するだけでなく、先のニーズを予測することも可能です。

ニーズを正確に把握・予測することで、企業や組織は消費者ニーズにマッチした製品やサービスを提供したり、ひとりひとりの顧客に合ったマーケティング施策を実行したりすることができます。

精度の高い効果検証

ビッグデータは、精度の高い効果検証も可能にします。
例えば、マーケティング。企業は、蓄積したビッグデータを分析することで、「どのマーケティング施策にどれくらいの効果があったのか」を高い精度で導き出し、それを検証して次の戦略に繋げることができます。
このように、リアルタイム性が高く膨大なビッグデータは、施策のブラッシュアップにも効果的です。

ビッグデータの導入・活用方法

データに基づいて意思決定を行う経営手法をデータドリブン経営と呼びます。ビッグデータを導入・活用するには、このデータドリブンな考え方が欠かせません。
データドリブンのためのビッグデータ導入・活用は、下記の4つのステップで行うのが一般的です。

ステップ1.データ収集・蓄積

まずは、データを収集・蓄積する基盤となるシステムを整備する必要があります。
具体的には、CRMやSFA、MAをはじめとした、各業務システムやサーバ、IoTデバイスなどを活用し、データを収集・蓄積していきます。

ステップ2.データの可視化

ステップ1で収集・蓄積したデータを整理し、その内容を可視化します。AI搭載のデータ分析ツールを用いれば、リアルタイムなデータの可視化が叶います。

ステップ3.データの分析

ステップ2で可視化したデータを分析し、課題解決などに必要な情報を取得します。
この分析作業には専門知識が必要なので、データサイエンティストやデータアナリストなどの専門家に任せるのが理想です。

ステップ4.データに基づいた意思決定

ここまでのステップで導き出したデータから、施策の実行や中止などの意思決定を行います。
施策実行後には効果測定を行い、PCDAサイクルを回していきます。

ビッグデータの活用事例

ビッグデータは、既にあらゆる企業や組織で活用されています。その具体例として、ビッグデータの活用事例を2つご紹介しましょう。

Netflixの事例

動画配信サービス大手のNetflixは、ビッグデータを活用したサービスで成功している事業のひとつ。2億2,200万人にもおよぶNetflixの利用状況から、「誰がいつどんな作品を見ているか」「どの作品にどう反応したか」などといったビッグデータを収集・蓄積しています。

このビッグデータを活用してニーズを把握することで、Netflixは精度の高いレコメンデーションや成功率の高い作品作りに成功。顧客の反応は良く、動画配信サービスとしてトップシェアを誇っています。

ダイドードリンコの事例

飲料メーカーのダイドードリンコは、消費者ニーズに応えるため、ビッグデータを活用しています。
そのひとつが、人の眼球の動きを追跡・解析するアイトラッキング技術。ダイドードリンコはこの技術を自動販売機に使用し、自動販売機での消費者の商品購入における情報の収益・蓄積を行なっています。
この技術では、消費者の無意識的な行動や購買時の感情、最終的な決め手など、さまざまな情報を得ることが可能。まさにビッグデータと言えるでしょう。

同社はこのデータを商品企画や商品配置に役立てています。

まとめ

ビッグデータについて解説しました。
消費者ニーズの移り変わりが速く、製品やサービス提供側に柔軟な対応が求められる現代において、ビッグデータは事業の成功を左右する重要な要素です。

以前の主流であった、経験や勘だけで施策を実行するやり方は不確かで、スピード感もありません。しかし、ビッグデータを活用すれば、企業は迅速で正確に消費者ニーズに応えることができます
企業競争力を向上させるためにも、企業のビッグデータの導入・活用は急務だと言えるでしょう。