秘密計算とは?活用例も交えてわかりやすく解説

この記事を書いたチーム:tenko
秘密計算とは?活用例も交えてわかりやすく解説 株式会社Smallit 技術ブログ

秘密計算とは 

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秘密計算とは、データを暗号化したまま計算処理を行い、その結果をまた暗号化されたままで得る技術です。データの暗号化は、情報を特定の方法で変換して、それを読み取りや解読することができない形に変えることです。

秘密計算では、暗号化されたデータを使って計算を行い、計算結果もまた暗号化されたままで得られます。そのため、計算の途中や結果を見たい第三者がいても、暗号化された状態でしか情報を得ることができません。これにより、データの内容を知られることなく、他の人に計算を委託しても安全に結果を得ることができます。

 秘密計算の例 

秘密計算では、秘密鍵とクラウド鍵の2つの鍵が使われます。 

 秘密鍵: 

役割:
元データの暗号化や結果の復号に使用される重要な鍵です。 

重要性:
これは第三者に絶対に知られてはならない鍵で、データの暗号化や解読に欠かせないものです。この鍵が漏れると、暗号化されたデータを解読できてしまう恐れがあります。
 

クラウド鍵: 

役割:
暗号状態で計算を行うために必要な鍵です。
 

特徴:
この鍵は暗号化はできますが、復号することはできません。計算を行う際には暗号化されたデータを使いますが、結果を解読することはできません。この鍵は第三者に知られても問題ありません。 

これらの鍵の役割分担により、秘密鍵はデータの安全な暗号化と復号に用いられ、クラウド鍵は計算を行う際の暗号化とその結果を秘匿するために使用されます。 

以下の画像に例を示しました。例えば、Aliceさんが秘密計算を使っています。Aliceさんは計算を行いたいデータを持っていて、それを暗号化しています。このとき、秘密鍵を使ってデータを暗号化します。秘密鍵はAliceさんだけが知っている鍵で、第三者に漏れてはいけないものです。 

次に、Aliceさんはこの暗号化されたデータをクラウド上の第三者(たとえば、Cloudと呼びましょう)に送ります。Cloudは計算を行う専門家やサーバーのことです。このクラウド側では、暗号化されたデータを使って計算を行いますが、データの中身を知ることはできません。計算の過程や結果はすべて暗号化されたままです。 

最後に、Cloudは計算結果を暗号化したままでAliceさんに返します。Aliceさんは秘密鍵を使ってこの暗号化された計算結果を復号化し、最終的な結果を得ることができます。このとき、計算を行ったCloud側は元データの内容を知らずに計算を行い、結果を提供することができるのです。 

どういうところで使われる?秘密計算の活用例

秘密計算の鍵は、プライバシー保護や機密データの分析に利用されます。例えば、クラウド上で機密性の高い情報を使った分析を行う場合に使われます。 
 国家間でのテロリストリストの共有など、機密情報を交換する場面でも利用されています。秘密計算は、異なる組織や国の間で情報を共有する際に、各組織が持つデータを暗号化した状態で相互に計算し、共通の情報(共通集合)を得る手法としても利用されます。これにより、各組織が持つデータの中身を相手に明かさずに、共通の情報を得ることが可能です。 

まとめ 

秘密計算は将来、ますます需要が高まると考えられます。クラウド技術の普及やセキュリティに関する意識の高まりから、データを安全に処理したいというニーズが増えています。秘密計算はそのような要求に応えるための技術であり、データの安全な処理とプライバシー保護を両立させる点で重要性が高まっています。 

また、量子コンピュータの発展に伴うセキュリティ上のリスクに対抗するための暗号技術としても秘密計算は注目されています。量子コンピュータが実用化されると、従来の暗号化方式が脆弱になる可能性があるため、秘密計算のような新たな暗号技術が求められます。秘密計算はそのような状況に対処するための一手段として期待されており、今後のセキュリティ技術の進化に重要な役割を果たすでしょう。 

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